上本が流血、タンカ搬送「頭動かすな」

 「WBC強化試合、阪神1‐0日本代表」(26日、京セラ)

 阪神・上本博紀内野手(26)が、WBC日本代表の強化試合で、六回表の守備中に飛球を追って左翼・伊藤隼と交錯、負傷交代した。うずくまったまま動けず、ドーム内は緊迫。その後、上本は担架で運ばれて退場した。打撃好調だった若手のケガに、和田豊監督(50)は表情を曇らせた。

 戦慄(せんりつ)が走った。京セラドームに悲鳴とどよめきが交錯する。レフトの位置で起きあがれず、転倒したままピクリとも動かなかった上本。キャンプから内野のレギュラーをうかがう成長株に、まさかのアクシデントが起こってしまった。

 六回だった。先頭打者の坂本が左翼へ打ち上げた飛球に、遊撃の位置から猛スピードで背走した。だが前に突っ込んできた左翼・伊藤隼と声の連係が取れず、そのままの勢いで激突。当初は伊藤隼が抱きかかえるような格好になったが、上本はそのままグラウンドへと崩れ落ちた。

 トレーナーや首脳陣が駆け寄ったものの、プレー続行は不可能と判断。急いで担架が運び込まれ、上本は起きあがれないまま三塁側からバックネット裏へ退いた。一塁側ベンチ裏へ続く通路では「頭を動かすな!」という怒声が響き渡るなど、緊迫した空気が漂った。

 試合終了を待たずに、大阪府内の病院へ直行。検査結果は明らかになっていないが、久慈コーチは「右目の下を切っている。おそらく縫わなきゃダメだろう」と明かし、右頬のあたりに裂傷を負っているもようだ。

 公式会見に出席した和田監督は「ちょっと心配。骨がどうか」と表情を曇らせた。

 ここまでキャンプ中の練習試合、オープン戦など7試合で好調をキープしていた上本。23日の日本ハム戦(名護)では1番で3安打猛打賞を記録するなど、打線のけん引役となっていた。長年の課題となっていた若手とレギュラー陣の差を埋められる選手にまで成長していた背番号4。それだけにチームにとっても痛すぎるアクシデントだ。

 キャンプから二塁のポジションで一緒にシートノックや守備練習を重ね、アドバイスを送ってきた西岡も「今は上本のケガが心配です」と気をもんだ。上本は、昨年も開幕前のオープン戦で左肘を痛め、シーズン序盤を棒に振っていた。

 試合後、チームが京セラドームを離れても、ケガの具合などの結果は発表されなかった。8年ぶりのリーグ制覇へ絶対に欠かせない戦力の1人だけに、今は、軽傷であることを願うしかない。

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