さよなら北の湖さん 協会葬しめやかに
11月20日に62歳で死去した日本相撲協会の北の湖前理事長(元横綱、本名・小畑敏満)の協会葬が22日、東京・両国国技館で営まれ、八角新理事長(52)=元横綱北勝海=が故人の遺志を継ぎ、相撲界のさらなる発展を目指すと誓った。葬儀には相撲界をはじめ政治、スポーツ、芸能関係者と一般会葬者を含む約2500人が参列し、偉大な足跡を残した昭和の大横綱の冥福を祈った。
国技館に設置された祭壇は、白菊の上に富士山をかたどった白い山がそびえ、遺骨はその頂に安置された。21日に授与された旭日重光章の勲章も掲げられた。遺影は笑顔の写真が1枚もなかったため、紋付き袴(はかま)姿で表情を引き締めた、いかにも北の湖前理事長らしいものが選ばれた。
現役時代に歴代5位となる24度の優勝を誇った大横綱は、理事長としては「土俵の充実」を掲げ、協会の公益財団法人移行。相撲人気の回復に尽力した。その偉大な足跡を残した故人をしのび、この日は一般会葬者を含めて2500人が早すぎる死を悼んだ。
葬儀委員長の八角新理事長は弔辞で「理事長の長年の偉大な功績に報いるため、1日でも早くこの深い悲しみから立ち直り、大相撲のさらなる発展に向け、協会員が一丸となって努力していくことが、理事長への何よりの供養と決意を新たにしています」と北の湖路線の継承と相撲界のさらなる発展を誓った。
北の湖部屋後援会会長の木村知躬氏は弔辞で、既に体調に異変があった12年1月、理事長再任が決まった直後に「できれば辞退したい」と話していた秘話を明かした。「あなたは最後の力を振り絞って自らの信念を貫く決意をされたのでしょう。その信念とは土俵の充実。それを言い続け実行されました」とたたえた。
現役時代はもちろん、理事長としても相撲界の発展に大きく貢献した北の湖前理事長。冬晴れの空の下、国技館と多くの人の惜しむ声が、不世出の大横綱を見送った。
