勢日本人勝ち越し1号 照独走に待った

 「大相撲秋場所・9日目」(21日、両国国技館)

 平幕の勢が、安美錦を土俵際の小手投げで破って勝ち越した。横綱鶴竜とともに1敗をキープして、ただ一人全勝の大関照ノ富士を追いかける。大関稀勢の里は小結隠岐の海に突き落とされ、痛恨の2敗目を喫した。

 勢が乗ってきた。立ち合い、業師の安美錦にはたかれたが踏ん張った。土俵際に押し込まれたが「よく見えていたし、うまく反応した」と、右から絶妙の小手投げで仕留めた。

 7連勝とし、9日目での勝ち越しは昨年の夏場所以来の快進撃だ。照ノ富士を追う、日本人力士で唯一の1敗。「勝っても負けてもいつも通り。そのいつも通りが一番難しい。力がつけば、おのずと結果は出る」。“いつも通り”の言葉を繰り返した。

 先場所は左肩痛の影響で2勝13敗と大きく負け越した。194センチの大男は「注射が嫌い」ながら、治療を決断。太い針を3本も刺され、神経を圧迫していた血と水を抜いた。

 ケガの功名だった。休んだ巡業期間に「基本に戻った」と四股、すり足を30分以上も増やした。一日8キロウオーキングし、稽古後の筋肉トレーニングも日課。変化にも崩れない下半身は強化された。

 「ケガしたから今がある。先場所負けたから今がある。どう思えるか。ケガは弱い箇所を教えてくれている。ありがとうございましたと自分は思う」。プラス思考で、まだまだ勢は加速する。

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