「大相撲初場所」（１１日初日、両国国技館）

　大相撲の横綱鶴竜（２９）＝井筒部屋＝が６日、東京都墨田区の同部屋で会見を行い、モンゴル出身のダシニャム・ムンフザヤさん（２３）との婚約を発表した。ムンフザヤさんは妊娠しており、５月に第１子を出産する予定。師匠の井筒親方（元関脇逆鉾）への報告が１カ月前で、挙式と披露宴は未定。婚約指輪も正式なプロポーズもなしという異例ずくめとなったが、家族のサポートを支えに初場所で横綱初Ｖを目指す。

　師匠の井筒親方がムンフザヤさんのプロフィールを紹介した後、神妙な口調で語った。「鶴竜には常々“順番を間違えるな”と言ってきたんですが…。技能賞の多いウチの部屋の伝統ですいません。まあ仕方ないか、ということで許してください」

　横綱としての初Ｖを決めてからと鶴竜がこだわったため、師匠への報告は昨年の九州巡業が終わってから。さらに５月には第１子が誕生すると聞かされて、「彼女がいるとは思っていたが、非常にびっくりした」と師匠にとっても驚きの展開だった。

　横綱の婚約会見が部屋で行われるのも異例だが、慌ただしさを物語るように、婚約指輪はなく、正式なプロポーズもまだ済ませていない。それでも、おかみさんから借りた赤い振り袖を初めて着たというムンフザヤさんに鶴竜は「きれいです」とニヤニヤ。出会ってから初優勝、横綱昇進と飛躍を続ける原動力となっただけに目尻は下がりっ放しだ。

　すでに昨年８月から同居し、ムンフザヤさんは日本語学校に通いながら相撲界のしきたりを勉強中。入籍と挙式、披露宴は第１子出産後になる予定だ。

　井筒親方も会見の終わりには表情を緩めて「鶴竜はポーカーフェースだけど、彼女は明るくて元気はつらつ。いいカップルじゃないですか」と祝福。心強い支えを得た鶴竜は「子供も生まれる。もっと頑張らないと」ときっぱり。今度こそ、横綱として初の賜杯を射止める。