稀勢10勝目!白鵬との相星決戦へ気合

 「大相撲夏場所・11日目」(21日、両国国技館)

 大関稀勢の里が1敗同士の対戦で、平幕の勢を寄り切りで破り10勝目。全勝だった横綱白鵬が、関脇豪栄道に押し出される波乱で連勝ストップ。きょう12日目に白鵬‐稀勢の里が直接対決で雌雄を決する。2敗は横綱日馬富士と勢の2人。新横綱鶴竜は大関琴奨菊を送り出して勝ち越しを決めた。

 ついに勝負の女神が稀勢の里にほほ笑みかけようとしている。1敗同士の対戦で勢を退けた直後の取組で、単独トップだった白鵬が豪栄道に不覚を取った。本来なら13日目に当たるはずだった白鵬戦が1日前倒しになり12日目に組まれ、今場所の優勝の行方を決める決戦は願ってもない相星決戦となったのだ。

 日増しに取り口も安定してきた。得意の左を差しにいくのではなく、立ち合いは勢の右差しを強烈なおっつけで完封。苦しくなった相手が右を抜いた時点でほぼ勝負は決した。最後は右おっつけで寄り切って完勝。「うん、まあ良かったんじゃないですか」と納得の表情で振り返った。

 12年5月、11日目で後続に2差をつけながら、残り4日間で3敗を喫して優勝を逃した。22日の白鵬戦に勝てば、その時以来の単独トップに躍り出る。北の湖理事長(元横綱)は「稀勢の里は存在価値を見せることが大事」と大一番の重要性を強調。勝てば初Vと再び綱とりへ大きく前進する。「思い切っていけたらいい」と無欲の姿勢を貫きながら、絶対に負けられない戦いに臨む。

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