千代大龍が初金星 糖尿病を克服

 「大相撲春場所4日目」(13日、ボディメーカーコロシアム)

 平幕の千代大龍が横綱日馬富士を引き落とし、02年名古屋の霜鳥以来となる横綱初挑戦で金星を挙げた。日馬富士は04年秋場所の朝青龍以来、2日連続で金星を配給して、2敗目を喫した。横綱白鵬は妙義龍を寄り切り、ただ一人4連勝。大関陣は鶴竜が関脇把瑠都を寄り倒して3勝目、琴奨菊は2勝目を挙げたものの、稀勢の里は2敗目、琴欧洲は3連敗を喫した。

 座布団の嵐。勝ち名乗りを受けたのは、まだ大銀杏も結えない千代大龍だった。2大関を倒し、横綱初挑戦で日馬富士も飲み込んだ。「緊張して覚えていない。横綱が手をつくのは見えた。勝てたより、勝っちゃったですね」と、初金星に声を弾ませた。

 左からのかち上げで日馬富士の体を起こし、返す刀で引き落として小さくガッツポーズ。わずか1秒3の勝負に「自分は、かち上げでここまで来たので自信になる」と胸を張った。師匠の九重親方(元横綱千代の富士)が「あれしかない」という宝刀は横綱にも通用した。

 日体大で学生横綱になった。順調に出世したが、昨年は“厄年”だった。4月の巡業中、当時大関の日馬富士にぶつかり稽古で「あれは地獄」とかわいがられ、右足をはく離骨折した。8月には糖尿病が判明。空腹時の血糖値は480(正常値は110未満)を示し、体重は30キロ近く減少して140キロ台に落ちた。

 治療と食事制限で数値が戻り、体重は167キロまで回復した。1回の食事でどんぶり飯7杯だった白米は1杯のみだ。「原液7割に対し、水3割」と愛飲してきたカルピスも控えている。絶望を乗り越え、番付を駆け上った。

 九重親方は、2日目に琴奨菊を破った弟子に褒美として10万円を手渡した。3日目に琴欧洲も倒すと20万円を渡した。「勝つのはうれしいが、違う悲鳴が…。お金がなくなる」と苦笑いした。

 白鵬戦も控える千代大龍。「自分の相撲を取りたい」という24歳の若武者が快進撃を続ける。

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