戦時下で「国家意識」強化策 ウクライナ、隣国と摩擦
【ベルリン共同】ウクライナのゼレンスキー政権の国家アイデンティティー強化を図る政策が、第2次大戦期にウクライナ民族主義組織による虐殺を経験したと訴える隣国ポーランドとの摩擦を招いている。ロシアの侵攻が続く中、国民の一体感を維持する必要がある一方、ポーランドとの関係が悪化すれば、ウクライナと連帯してきた欧州の結束が乱れるリスクもある。
「健全なナショナリズムは容認できるが、これはナチズムに近いイデオロギーだ」。ポーランドのナブロツキ大統領の側近は24日、地元メディアに語った。ゼレンスキー氏が22日、独立や自由のために戦った人を記念する施設「ウクライナ国立パンテオン」設置法に署名したことに反発した。
ウクライナではソ連と戦ったとしてこの民族主義組織が抵抗の象徴とされている。ポーランド大統領府によると、組織は1943~45年に、現在のウクライナ西部で少なくともポーランド人10万人の虐殺に関与したとされる。
ポーランドは虐殺に関与した人物が施設で称賛の対象になることを警戒。大統領の側近は「ウクライナの欧州・大西洋の政治共同体への統合が困難になる」と述べた。
