娘刺殺「受刑者の思い知りたい」 事件から6年、今も苦しむ母
福岡市の商業施設で2020年に客の吉松弥里さん=当時(21)=が、直前に少年院を仮退院した当時15歳の男性受刑者(21)に刺殺された事件は28日で6年となった。弥里さんの母は、亡くなった直後の娘の姿が今も頭から離れず苦しみ続ける。一方で受刑者に対しては、憎しみに満ちていた以前の思いから「今の気持ちを知りたい」と変化しつつある。
「会いに来たよ」。28日夜、現場のトイレで花を手向けた。毎年命日に訪れ、今年も当時の状況がフラッシュバックし、あふれる涙を抑えた。
今年、娘の親友が出産し、弥里さんにちなんだ名前を授けたと連絡を受けた。うれしかったが、娘は永遠に21歳のまま。進路を決めた直後の事件だった。「生きていたら27歳。夢をかなえて働いていただろう」と悔やみながら「でも、天国で成長しているんじゃないかな」と言い聞かせる。
受刑者は殺人罪などで刑が確定。国の制度を利用し、受刑者に謝罪の意味を問うた。「人はあっけなく死ぬんですね」などとの回答に「なぜそんな言葉しか出てこないのか」と悲しみが襲った。
