米、ICC本体に制裁 元裁判官のノーベル平和賞直後
【ワシントン、ブリュッセル共同】トランプ米政権は9日、国際刑事裁判所(ICC、赤根智子所長)本体を制裁対象に指定した。国際金融システムから事実上締め出され、戦争犯罪などを裁くICCが活動停止に追い込まれる可能性が極めて高くなった。国際社会における「法の支配」は瀬戸際に追い込まれた。
これに先立ちノルウェーのノーベル賞委員会は9日、今年のノーベル平和賞を、南アフリカ出身でICC裁判官を務めたナバネセム・ピレイ元国連人権高等弁務官(85)に授与すると発表した。国際法の機関が「政治的攻撃」を受けていると危機感を表明した。
米国は米兵の戦争犯罪捜査やイスラエルのネタニヤフ首相への逮捕状発付を不服とし、ICCを敵視。制裁を順次拡大し、赤根氏を含む裁判官や検察官ら計13人を対象としてきた。ICC本体への制裁で、圧力を別次元に引き上げた。
制裁内容は米国内の資産凍結やICC関係者の米国への渡航禁止などだが、米ドルが国際金融の基軸通貨であるため、米国からの制裁を恐れる金融機関や企業がICCとの取引を避けるとみられる。
