NHK会長に井上樹彦氏が昇格へ 副会長、18年ぶり内部出身
NHKの最高意思決定機関の経営委員会(古賀信行委員長)は8日、来年1月24日に任期満了を迎える稲葉延雄会長(75)の後任に副会長の井上樹彦氏(68)を昇格させると議決した。2008年に職員のインサイダー取引の引責で橋本元一氏が任期満了日に辞任して以降、元日銀理事の稲葉氏を含め外部登用の会長が6人続いた中、18年ぶりの内部出身者となる。
経済界出身の会長が1期3年で交代しながらガバナンス(組織統治)強化といった改革を進めてきたが、内部登用への転換で受信料収入減少など経営課題への対応の継続性を重視した形だ。井上氏は「NHKグループ全体で、難題に総力戦で立ち向かっていきたい」とのコメントを出した。
記者会見した古賀委員長は、次期会長にふさわしいのは「わざわざ勉強しなくても(経営)状況を理解している人」とした上で、井上氏に「(課題解決できる)チームを組成してほしいとお願いした」と述べた。経営委員12人のうち、任命に必要な9人が賛成し、3人は反対したという。
