過去は水に流せますか 夫の浮気発覚後、疑心暗鬼の妻 再構築はきれいごとですか【夫婦関係修復カウンセラーが解説】
夫婦間で浮気が発覚した後、再構築したとしても完全に元通りになることはありません。夫が「やり直せた」と思って仕事に邁進していたとしても、許した妻は「また浮気してるのでは」「帰りが遅いなんて」と怒りを募らせているケースも少なくないのです。
ゼロに戻せない過去を抱えたまま、本当に夫婦関係を再構築するためには、どのような意識や対話が必要なのでしょうか。感情的な衝突や表面的なやり直しで関係を悪化させないためのポイントについて、夫婦関係修復カウンセリング専門行政書士の木下雅子さんに聞きました。
■再構築を選んだ目的の共有が大事!
--再構築を選んだ場合、妻は夫の浮気を許さなければいけないのでしょうか?
完全に許す必要はありませんが、やり直すと決めた以上は過去を受け入れ、飲み込む度量が必要です。浮気前の状態に時間を巻き戻すことは不可能なため、「これからの新たな関係」を築く意識を持ちましょう。
いつまでも過去をほじくり返して責め続けると、「あなたにも原因があったのでは」と泥沼の言い争いに発展します。許すことよりも、過去を受け入れて新たなスタートを切ることが大切です。
--再構築に合意した途端、夫が再び帰宅を遅くしたり気を抜いたりする心理とは?
妻が再構築に合意したことで「許された」「嵐が過ぎ去った」と勘違いし、危機感を失って気を抜いてしまうからです。夫の中では浮気が過去の出来事となり、「元通りの生活に戻った」と思い込んでいるため、以前と同じような遅い帰宅などの行動を繰り返してしまいます。
人は急には変われないため、夫が勝手に安心し、妻との間に意識や危機感の大きなギャップが生じてしまうことが原因です。
--険悪な雰囲気を避けたい妻の我慢や不本意な接し方が、逆に関係を悪化させますか?
険悪な雰囲気を避けようと、妻が気分の乗らないまま接したり、感情を我慢して演技を続けたりすると、長期的に夫婦関係は緩やかに悪化していきます。
夫側は「これでうまくいっている」と誤解し、妻側だけにストレスが蓄積されていくからです。一見すると穏やかに見えても、本音を隠した我慢の限界が訪れた際、「ちっとも反省していない」と大爆発を引き起こし、致命的な破綻へつながってしまいます。
--すれ違いや不満が募る現状を変えるために、最初に取り組むべきことは?
なんとなくやり直すのではなく、「なぜ再構築を選んだのか」という根本的な目的に2人で立ち返ることが欠かせません。「これからどんな夫婦関係を作っていきたいか」という理想や希望を徹底的に話し合い、お互いの意見をすり合わせましょう。
浮気という事実だけを責めたり、取り繕うような対応を続けたりするのではなく、将来に向けた目的意識を共有して具体的に会話を重ねることが重要です。
◆木下雅子(きのした・まさこ) 行政書士、心理カウンセラー
大阪府高槻市を拠点に「夫婦関係修復カウンセリング」を主業務として活動。「法」と「心」の両面から、お客様を支えている。
(まいどなニュース特約・長澤 芳子)
