「酪農って楽しいかも」 300頭の子牛を朝7時半からお世話 予想以上にきつい仕事に体が悲鳴 2週間後に出した結論は【漫画】

普段、私たちが口にする牛乳や乳製品を主に生産する酪農について、詳しく知る人は少ないでしょう。そんな酪農家として働いたチュパカブRさんが実体験を描いた作品『酪農を1ヶ月で辞めた話』が、注目を集めています。

長年、動物のお世話をする仕事にあこがれていたという作者。あるとき、思い切って子牛の世話をする仕事に挑戦することにしました。

朝7時半から始まる仕事は、300頭近くいる子牛へのミルクやりからスタートします。自分から飲まない子牛には口に指を入れて飲ませたり、水やりや牛舎の清掃をしたり、おがくずを敷いたりするなど、肉体的な負担が続きます。

そんなある日、作者は逆子の出産を手伝うことに。無事に子牛が生まれると「ちょっと泣きそうになった。酪農をやり始めて楽しいかもと思えてきた」と、作者は仕事にやりがいを感じるのでした。

しかし、2週間ほど経つと身体に限界が訪れます。朝5時からの通勤や激しい肉体労働により、心身ともに消耗しきっていた作者は「自分じゃない誰かの作業を傍観しているような、よく分からない感覚」に陥り、面談で「続けられそうですか?」と聞かれると、「無理ですぅぅっっ」と即答しました。

最後のあいさつに子牛の頭をなでるも、「元気でね、と言えないのが少しつらかった。この子たちは肉牛なのだから」と、寂しさをにじませます。そして「想像以上にきつい仕事だった。でも貴重な経験ができて、やってみてよかったなと思っている」と振り返ります。

この体験から作者は、食事の際に子牛たちを思い浮かべながら「いただきます」と手を合わせるのでした。

読者からは「誰もができる仕事じゃないんだなって思いました」や「バターやお肉が『高いから安くしろ』とは簡単に言えないな…」などの声が多く寄せられています。そんな同作について、作者のチュパカブRさんに話を聞きました。

■一番伝わってほしいことは「命をいただくことの大切さ」

--このテーマを描こうと思われたきっかけを教えてください。

酪農の中でも子牛のお世話をする仕事は珍しいと思いますし、酪農のお仕事をしている人、これから酪農の仕事をしたいと考えてる人、肉牛がどういうふうに育てられているのか、いろんな人に読んでほしいなと思い、描き始めました。

--同作を制作するうえで、意識されたことなどあれば教えてください。

とにかく牛だけはちゃんと描こうと、撮影させていただいた写真とにらめっこしながら描いていましたw

あと、私は漫画を描くときに表情の描写をとても大事にしていて子牛とお別れするシーンは、当時の感情をちゃんと表現したくて何度も描き直しました。

--作品を通して読者に伝えたかったことや、読者からの反響を受けて感じたことを教えてください。

一番伝わってほしいことは「命をいただくことの大切さ」です。

食事をするときに食材となった全ての生き物、全ての植物や食に携わってくれた人々に感謝を込めて“いただきます”“ごちそうさまでした”と手を合わせて言うことが、とても大事なことだと思っています。酪農の仕事を経験して、より一層その気持ちが強くなりました。

1カ月しか続けられなかったことがとても情けなくて悔しいと思っていましたが、読者様から「勉強になりました」「0から初めて2週間続いてるだけでもスゴイ」「大変だってことを漫画にしてくれて、なんだかうれしい」というお言葉をいただけて、とても元気づけられました。こんなに大変な仕事をずっと続けている酪農家さんを、心から尊敬しています。

(海川 まこと/漫画収集家)

ライフ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング

    話題の写真ランキング

    リアルタイムランキング

    注目トピックス