【漫画】「終電なくなったから家に彼女泊めていい?」深夜0時、大学生の息子からの電話 えっ、その人に一度も会ったことないんですけど…
大学生になると、恋愛も行動範囲も親の知らない世界へ広がっていきます。一方で、親にとっては「もう大人だから口を出すべきではない」という思いと、「家族の家として守るべきルール」の間で葛藤する場面もあるものです。
深夜0時、大学生の息子から届いた一本の電話。それは、まさにそんな親の迷いを象徴する出来事でした。
■「彼女が終電を逃した」深夜の突然の電話
都内で暮らすHさん(50代・主婦)は、大学2年生の長男と中学生の次男、そして夫との4人暮らし。
ある日の夜、まもなく日付が変わろうとするころ、すでに就寝していたHさんのスマートフォンが鳴りました。普段、こんな時間にかかってくることなど、ほとんどありません。「何か事故でもあったのでは…」と心臓をバクバクさせながらあわてて出ると、相手は長男でした。
「あのさ、彼女が終電逃しちゃって。家に泊めてもいい?」
長男に彼女がいることは知っていましたが、Hさんはまだ一度も会ったことがありません。困っているなら助けてあげたい気持ちは山々でしたが、深夜に見ず知らずの相手をいきなり自宅に招き入れることには、どうしても抵抗がありました。
そこでHさんは「私が車で彼女の家まで送るよ」と提案します。しかし長男は、「夜遅くにそこまでしてもらうのは悪いから」と、その申し出を断りました。
■「誰にも会わないから」では割り切れなかった母の思い
ホテル代を節約したいというのが、若い2人の本音だったようです。長男はさらに、こう説明しました。
「この時間なら家族はみんな寝ているし、彼女には僕の部屋だけで過ごしてもらう。始発で帰るから誰にも会わないし、迷惑はかけないから」
しかし、Hさんは納得できませんでした。 「息子の部屋だけで過ごす」と言っても、トイレや洗面所などの共有スペースは、どうしても使うことになります。たとえ顔を合わせなくても、会ったこともない相手を深夜に家へ入れることに変わりはありません。
「恋愛に口を出すつもりはない。でも、家へ招くなら、一度ちゃんとあいさつをするのが筋ではないか」
そんな、親としての割り切れない思いが胸をよぎりました。
■「防犯」を考えると、簡単には決められない
もちろん、長男の彼女を疑っていたわけではありません。 それでも近年は、特殊詐欺や強盗事件など、思いもよらない手口の犯罪がニュースをにぎわせています。Hさんも「万が一、何かあったら」と考えると、素性のわからない相手を家に入れる決断は下せませんでした。
結局、Hさんは「申し訳ないけれど、今回は無理。泊められないよ」と断ることに。2人はその夜、カラオケ店で朝まで過ごしたそうです。
翌朝、Hさんは起きてきた夫に一連の出来事を相談しました。すると夫は、「その判断で正解だよ。会ったこともない相手を、夜中にいきなり泊めるのは違うと思う」と、Hさんの毅然とした対応に理解を示してくれました。
しかし後日、この出来事をママ友に話したところ、意外な反応が返ってきます。
「えー? 息子の彼女でしょ? 困ってたなら泊めてあげればよかったのに!」
その言葉を聞いて、Hさんの心に新たな迷いが生まれます。「息子が信頼して連れてきた相手なのだから、もう少し寛大に受け入れてあげてもよかったのだろうか」と。
あのときの断り方は正しかったのか。正解のない問いに、Hさんは今でも時折、あの深夜の電話を思い出すそうです。
(まいどなニュース特約・松波 穂乃圭)
