真夏の車内にモバイルバッテリー放置は危険→保冷バッグに入れたら充電できなくなりました【ガジェットメーカーが解説】

8月のある日、家族でドライブに出かけた30代のAさんは、高速道路のサービスエリアで休憩することになりました。Aさんは駐車場に車を停めながら、真夏の車内でモバイルバッテリーが発火した事故に関するネット記事を見たことを思い出します。

「モバイルバッテリーを車内に置いておくと危険かも」と思ったAさんは、車を離れる前に飲み物を冷やしていた保冷バッグの中にモバイルバッテリーをしまいました。

その後、観光地でスマホのバッテリーが切れてしまい、モバイルバッテリーで充電しようとしましたが、スマホはまったく充電されません。「さっきまで残量があったはずなのに、なぜ?」と焦ったAさんでしたが、幸い近くのコンビニで充電器を借りることができ、事なきを得ました。

帰宅後に故障の原因を調べてみると、保冷バッグ内の低温と湿気がモバイルバッテリーを故障させた可能性があることがわかり、Aさんは驚きます。

モバイルバッテリーを販売するアンカー・ジャパン株式会社の担当者に話を聞きました。

■車を離れる時は、必ずモバイルバッテリーも持ち出す

-夏場の車内にモバイルバッテリーを置いておくと、なぜ発火や爆発などのリスクがあるのでしょうか?

モバイルバッテリーに使用されているリチウムイオン電池は熱に弱く、長時間さらされると電池内部の温度上昇とともに化学反応が加速します。その結果、①電解液がガス化して膨張、②セパレータの変形・収縮、③内部短絡による熱暴走につながりやすくなります。

熱暴走は内部温度が上昇することでさらに発熱が促され、温度制御ができなくなり数百度まで温度が上がることもあり、発火・爆発のリスクになります。

-モバイルバッテリーを保冷バッグに入れると、故障に繋がる可能性があるのはなぜですか?

急激な温度変化は、製品内部に結露を発生させ、ショートや故障の原因となる可能性があります。時間を置いて乾かした場合でも水に含まれる不純物が残り、回路基板に悪影響を与えます。

モバイルバッテリーは水気や湿気にも弱いという特徴があります。「冷やせばいいのでは?」と考えて、保冷剤の入ったバッグなどに入れるのは避けてください。

モバイルバッテリーの適切な使用温度範囲は0℃~40℃で、保管温度範囲は0℃~35℃です。

-夏のドライブにモバイルバッテリーを持参する場合、安全に使用するために気を付けるべきことを教えてください。

まず、直射日光が当たる場所での使用・充電はNGです。特に危険なのが、ダッシュボードの上です。ダッシュボードは80℃近くにもなる、車内で最も高温になる場所の一つです。このような場所でモバイルバッテリーを使用・充電することは絶対に避けてください。できるだけ、涼しく直射日光の当たらない場所で使うことを心がけてください。

次に、車を離れるときは、モバイルバッテリーも一緒に持ち出してください。たとえ数分間の買い物であっても、車内温度は急上昇します。バッグやポケットに入れて持ち歩くことで、高温によるリスクを確実に避けることができます。持ち出す際はバッグの中で水気に触れないようにご注意ください。

(まいどなニュース特約・長澤 芳子)

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