「一人は心細い」 発熱した恋人を心配する同僚、在宅勤務を望むも上司はNO! 憤るイタリア人夫に日本人妻ドン引き「まともなの上司だけじゃん」「彼女何歳?」【漫画】

「当たり前」だと思っていた価値観が、海外の人にはまったく通じないことがあります。特に仕事や家族に対する考え方は国によって大きく異なり、自分では普通だと思っていたことが、相手からすると信じられないほど冷たく見えてしまうこともあります。絵本作家のとねさとえさんは、noteにイタリア人の夫との価値観の違いを描き話題となっています。

それはある日、作者が夫と話をしていた時のことです。夫は職場の上司への不満を話し始めます。詳しく話を聞くと、同僚の恋人が熱を出し「一人では心細い」と連絡してきたため、その同僚は在宅勤務に切り替えられないか上司に相談したそうです。しかし上司は、その申し出は却下するのでした。その対応に対し、夫は同僚と一緒になって怒っていたのだといいます。しかし作者は、「上司の判断は当然では?」と感じました。ところが夫は、「恋人が熱を出して不安なのに寄り添わないなんて非人道的だ」と反論します。

作者が「仕事が終わってから会いに行けばいいのでは?」と伝えても、夫は納得しません。むしろ「そんな時こそそばにいるべきだ」と主張します。さらに、結局その同僚は早退して恋人のもとへ向かったと聞き驚いていると、今度は夫から「血も涙もない」「鬼みたいだ」と言われてしまいました。

日本では恋人が体調不良だとしても、いきなり在宅勤務に切り替えることは難しいですし、仕事が終わった後に会いに行くのも、そんな非人道的とは思われないでしょう。このようなイタリア人との価値観の違いに驚く作者でした。

同作について、作者のとねさとえさんに詳しく話を聞きました。

■イタリアでは「愛やプライベート優先」が一般的

ーイタリア生活の中で、このような「仕事よりプライベート(愛)が当然優先される」場面に、他にも遭遇したことはありますか?

基本的に仕事よりもプライベートを優先させる文化なので、時間内にやるべきことが終わらなかったらしれっと翌日に回しますし、それについて罪悪感を感じることはありません。また、イタリアでは有給休暇を基本的に100%使い切ります。そしてそれとは別に1時間単位で休める制度(”ROL”という制度で、例えば夫は年間72時間自由に使える)もあります。これも皆さんもちろん年度内にきっちり使い切るんです。そのため、恋人や家族のために休みを取ったり、遅刻や早退、中抜けをすることに対する罪悪感は、皆無と言っていいと思います。ただ、その「愛やプライベートの優先」が徹底されすぎているせいか、イタリアの社会のいろいろな部分が日頃から機能していないな、と感じることも多々ありますね。

ー旦那さんのように「仕事より恋人優先」という考え方は、イタリアでは一定数いるものなのでしょうか?

そうですね、これがイタリアの一般的な考え方だと思います。 仕事というのはあくまでも自分たちの生活を支える経済的な手段にすぎず、日本のような「会社に貢献する」「会社のために働く」という概念はそもそもないように感じます。日常のシーンで言うと、まず「残業」はほぼありません。また、日本の「飲み会」のような義務的な職場の付き合いもゼロです。気の合う同僚同士で仕事終わりにお酒を一杯飲むような習慣はありますが、それよりもまずは自分のプライベートを最優先しています。

夫の会社なんかを見ていると、基本的に定時の数分前には帰る準備をすべて整えていて、17時00分00秒になった瞬間、ごく一部の管理職を除いてみんな一斉に帰っていきます。

ーこの喧嘩は、最終的にどのように着地したのでしょうか?二人なりの折衷案は見つかりましたでしょうか?

イタリアと日本のポジティブな部分とネガティブな部分をお互い一通り言い合いつつ、結局どちらも譲らず平行線をたどって、冷戦状態のまま終了しました。お互いに育ってきた環境の習慣や概念が違うので、こういう場面にはよく遭遇します。今回のようにくだらない喧嘩に発展することもありますが、平和的で友好的な「意見交換」の場合は、自分にはない新たな視点や考え方が知れて、おもしろいなと感じています。

(海川 まこと/漫画収集家)

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