TOTO「エコリモコン」自己発電のスグレモノ、トヨタ「GR86」みたいと話題 メーカーに聞いた「押した感触が、ちょっと癖になる」
トイレの操作ボタンが、トヨタ「GR86」のスイッチにそっくり--。そんな意外性を指摘したXの投稿に対して、「これ押すだけで発電して送信するらしい」「けっこー賞をとってるスグレモノです」など、その機能性に注目が集まりました。話題となったのは、TOTOが開発したボタンを押すたびに自己発電する電池不要のリモコン「エコリモコン」。独特の厚みや押し心地の秘密について、TOTOの担当者に聞きました。
SNS上で「GR86みたいなスイッチ」と話題になった「エコリモコン」。「エコリモコン」は、便器洗浄やウォシュレットの操作ボタンを押すたびに内部で発電し、その電力で作動する仕組みです。電池交換も壁裏の電源工事も不要なため、施工やメンテナンスの手間が省け、リモデルにも適しているといいます。
「ボタンを押すことによって、発電モジュールが押されて発電する仕組みとなっており、リモコン本体に厚みがあるのは押すときのストローク確保のためです。なお、昨年(25年8月)にモデルチェンジし、リモコン本体が従来の25mmから11.5mmへと薄型化しましたが、ボタンを押した際のストロークが小さくなっても必要な電力が発電できるように改良しています」
話題となった投稿には「押した感触が、ちょっと癖になるんですよ」と、スイッチの形状についてのコメントもありました。操作時の「クリック感」についても、工夫が重ねられていました。
「スイッチの操作力やストロークのバランスを取り、押し心地の良さを追求しました。市場のさまざまなスイッチを調査し、高齢者や障がい者の方にも協力いただきながら検証を重ね、この形に決めています。スイッチ先端を突出させることで押す位置を自然に誘導し、軽い力でも操作できるようにしています。指が引っ掛かる形状のため、手が不自由な方でも押しやすい設計です」
「エコリモコン」は、高齢者や障がいのある方など、さまざまな人が無理なく操作できるよう、ユニバーサルデザインを徹底しています。ボタンのサイズや表示にも配慮し、2025年のモデルチェンジでは視認性もさらに向上させました。
「便器洗浄リモコンは、独立した大きな丸形ボタンで迷わず操作できるようにしました。ウォシュレットリモコンは、使用頻度の高い『おしり』『止』などのメインボタンの文字やピクトグラムを大きくすることでさらに見やすくし、『水勢』など補助的なボタンはメインボタンと大きさを変えることで区別がしやすくなりました。誰にでも分かりやすく、使いやすい設計で不特定多数の方に使われるオフィス、商業施設のトイレ空間などにおすすめです」
そもそも、電池式ではなく自己発電式を採用した背景には、公共の場でのウォシュレット維持・管理のしやすさ向上の目的があったそう。
「パブリックトイレではウォシュレットの設置台数が多く、昨今は建設現場の人手不足も課題です。電源工事や電池交換を不要にしたことで、施工・メンテナンス両面の負担を減らせる点を高く評価いただいています」
「エコリモコン」は2014年の発売以降、出荷は伸び続けており、2025年には国際的なデザイン賞である「iFデザイン賞」と「レッドドット・デザイン賞」、2026年4月には「GREEN GOOD DESIGN AWARDS 2026」を受賞するなど、その設計は高く評価されているといいます。今回、SNS上でトイレのリモコンが「ガジェット」として注目されたことについて、TOTOの担当者はこう話します。
「通常はウォシュレット本体の機能が注目されがちですが、リモコンの構造や操作性に注目していただき、ありがたいです。発電を達成するだけでなく操作性までこだわったリモコンなので、このような認識が建物のオーナーや設計・施工に携わる方々だけでなく、利用者の皆さんにもさらに広がっていくとうれしいです」
