【漫画】待ち合わせに必ず遅れる友人 「電車に乗りました」「迷いました」実況中継型遅刻が人間関係を静かに疲弊させる

待ち合わせのトラブルは人間関係の温度を下げます。気心の知れた仲間内でも、悪気がないと分かっている遅刻常習者がいるだけで、周囲は怒りより先に消耗していきます。本人は急いでいるつもりでも、周囲にはまったく別の負担が発生しているケースがあります。

■「どこでもいい」のに、時間だけは狂わせる

定期的に会う女友達3人のグループがあります。そのうちの1人、Tさんは予定決めに関しては常に「どこでもいい、何時でもいい」と言う完全委任型です。店選びや時間調整、予約の手配まで他の2人に任せきりですが、ここまでは大きな問題ではありません。本当の困りごとは、当日の動きにあります。

Tさんは毎回「遅刻しないように早めに出る」と宣言します。そして集合日には必ず「今から家を出ます」とグループLINEに連絡が入ります。その時刻は集合よりかなり前であることが多く、受け取った2人は想定より早い進行に慌てて支度を急ぎます。ところが結果はなぜか逆になります。最初に店に到着しているのは、必ず連絡を受けた側の2人です。Tさんはほぼ例外なく遅刻します。

■実況は完璧、到着は未定--止まらない迷走中継

特徴的なのは、移動中の連絡頻度です。「家を出ました」「電車に乗りました」「最寄り駅に着きました」と順調な実況が続いた直後、「迷いました」「出口が分かりません」「ここがどこか分かりません」「店は何階?」「上の階への行き方がわからない」と状況が急変します。メッセージは増え続けますが、距離は縮まりません。まるで位置情報のない中継を聞かされている感覚になります。

象徴的な出来事もありました。予約不可で並んだ順に入店するSNSで話題の人気店に行くことになりました。Tさんは「いつも遅刻していて申し訳ないから、今回は私が先に行って並びます」と自ら名乗り出ました。ところが当日の到着は最後でした。店の前で順番待ちをしていたのは、結局いつもの2人です。善意の宣言と実際の到着時刻がここまで一致しないことに、思わず驚かされます。

対策として、他の2人はTさんだけ集合時刻を30分早く伝えました。合理的な調整に見えますが、それでも到着は最後です。本人は「早く出たのに」と言いますが、方向確認、乗り換え判断、出口選択といった要所で必ず滞ります。出発時刻だけ早めても、到着時刻は早まりません。

■悪気がない遅刻ほど、周囲のエネルギーを削っていく

このタイプの遅刻が厄介なのは、努力している様子が見える点です。連絡も丁寧で、急いでいる姿勢も伝わります。気心の知れた仲であることに加え、集まるのが時間に余裕のある休日であることもあり、Tさんの遅刻は当然と化しているため、責めることもなく、受け入れます。毎回予定より早く家を出て、状況確認の通知を受け取り続け、開始前から疲労する状況は変わりませんが、怒りではなく、静かな体力消耗が積み重なっていきます。

時間を守ることは能力よりも設計です。出発の早さではなく、到着までの工程を読めるかどうかです。実況が細かい人ほど安心感を与えていると思いがちですが、現場では逆の負担が生まれている場合もあります。遅刻とは数分の問題ではなく、周囲のエネルギーをどれだけ使わせたかという問題でもあります。

(まいどなニュース特約・松波 穂乃圭)

ライフ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング

    話題の写真ランキング

    リアルタイムランキング

    注目トピックス