「心配だから家まで送ってあげようか?」見ず知らずの男が!? SNSで報告多数『運命待ち伏せ男』とは【コミュニケーションコンサルタントが解説】
ある日の夜、大学生のAさん(女性)はいつものように自宅まで歩いていました。その日は履きなれないヒールのため、思わず転倒してしまいます。すると、どこからともなく見知らぬ男性が「大丈夫!?君がヒールを履いているから心配で、駅から付いてきたんだよ」と駆け寄ってきたのです。
突然のことで驚くAさんに、男性は、「いつも駅のホームでAさんを見かけていた」「危なっかしいから僕が守ってあげなきゃと思った」を説明します。その後も「家まで送ってあげようか?」と悪びれた様子もなく笑顔で話し続けます。恐怖のあまり、Aさんは身を震わせながら「いいです!」と叫んで逃げ帰りました。
近年、今回のような「運命待ち伏せ男」がSNSで数多く報告されています。気付かない間にこのような事態に巻き込まれないために、予防策はあるのでしょうか。また、万一巻き込まれた際にはどのような対応を取れば良いのでしょうか。
コミュニケーションスキルコンサルタントの鮎永麻琴さんに話を聞きました。
■重要なのは相手を説得しようとしないこと
-このような男性たちは、どんな心理状態でしょうか?
Aさんのような事例はストーカーというよりも、善意の自己中心性の問題だといえるでしょう。善意だから許される、心配だから近づいていいという発想は、相手の同意を無視したコミュニケーションです。
本当の思いやりは相手が望んでいるか、安心しているかを基準にします。「自分がどう思ったか」ではなく「相手がどう感じるか」。そこに意識が向かない限り、善意は暴力になり得ます。
-どのような人や行動が「運命待ち伏せ男」に狙われやすいですか?
1人で行動している女性、表情が柔らかく見える人、毎日同じ時間・同じルートを使う人、イヤホンなど周囲に無防備に見える人、困っている瞬間(転倒・荷物が多い)があるなど、ターゲットにされやすいのは必ずしも「弱い人」ではありません。
とくに重要なのは物理的弱さよりも、「助けが入り込む余地がある瞬間」です。Aさんに話しかけたような男性たちは、「困っている場面」を正当化する材料に使うことが多いので注意しましょう。
-もし街中で「運命待ち伏せ男」のような男性に遭遇した場合、どのような対応をするべきでしょうか?
拒絶よりも『無視と距離』が有効です。重要なのは、相手を説得しようとしないことです。このようなタイプは「話せば分かる」ではなく、「話すほど関係性を誤認する」傾向があります。そのため、会話を広げない(「大丈夫です」だけで十分、理由説明は不要)、目を合わせ続けない(共感や関係の芽を作らない)ことは徹底しましょう。
さらに、近くのコンビニ・交番・明るい場所へ直行(住宅街には入らない)したり、電話をかける(実際にかけて「今すぐ迎えに来て」と言う)のも効果的です。また、このような男性に遭遇しないためにも、毎日移動するルートを固定しないことも必要です。
もし不安や恐怖を感じた場合は1人で抱え込まず、家族や信頼できる人、必要に応じて専門機関に相談することも大切です。安全を守る行動として、決して大げさではありません。
◆鮎永麻琴(あゆなが・まこと)
大学時代にはプロスノーボーダーとしてW杯に出場し、世界ランキング20位を記録。卒業後は国際線CAとして13年間勤務。現在は、コミュニケーションスキルコンサルタントとして多くの人の悩みに向き合う。2020年にはTEDxFukuokaで「自由への切符」というテーマで登壇。
(まいどなニュース特約・長澤 芳子)




