夜の用水路でヌートリアの痕跡をたどっていくと…“野生”のアライグマと遭遇!?「日本の自然を守りたい」外来種の駆除活動家が見たリアル
夜の用水路で、外来生物を調査・捕獲する様子を収めた動画がYouTubeに投稿され、外来種被害の現実が伝わる映像として注目を集めています。
動画を投稿したのは、外来種の捕獲や生態系保全活動について発信しているYouTube「がやまる(@がやまる)」を運営する、がやまるさんです。ヌートリア(南米原産のオレンジ色の前歯が特徴的な大型の水辺のネズミ)やアライグマと遭遇した現場の状況や、生態系保全への思いについて聞きました。
狩猟解禁となった2025年11月の夜、動画はがやまるさんの特定外来生物の防除活動に密着。今回の調査場所は、これまでの観察データからヌートリアの生息密度が最も高かったエリアで、かつ川がコンクリートで固められており、捕獲時の安全性や作業のしやすさを考えて選んだといいます。
「獲れるかどうかというよりも、噛まれないか? など安全面での緊張感が高いです。個体によっては激しく暴れ、威嚇音を出すことも…。自分の心を落ち着かせて捕獲に挑みました。今回は今まで捕獲した中でも比較的大人しい個体だったため、すんなり成功しました」
がやまるさんによると、ヌートリアによる被害については、これまでにも各地で確認しているそう。
「主な被害として農業被害、二枚貝の捕食、土手に穴を掘るため土砂災害の被害、人獣感染共通症などが挙げられます」
ヌートリアは稲を食べるほか、水質浄化に関わる二枚貝も捕食し、さらに最大6mの巣穴を掘ることで田んぼ周辺の環境にも影響を与えるのだとか。そんなヌートリアの個体としての強さの要因としては、第一に「繁殖力」が挙げられるといいます。
「生後半年で赤ちゃんを産めると言われており、ねずみ算式に殖えていきます。ヌートリアもアライグマも人獣共通感染症を媒介するので、人間への危険性もあります」
今回のヌートリア捜索中にはアライグマとの遭遇も。アライグマは、柑橘類を好み、農作物被害と在来種の捕食の両面で問題になっているそう。がやまるさんは、このとき23年間の活動で初めて野生のアライグマを確認した際は、想像以上の身体能力と警戒心を感じたといいます。
「在来種であり絶滅の危機に瀕しているニホンイシガメの手足を食べてしまうアライグマの被害が全国的に多発しており、この河川でも何匹もそのような個体を発見しています。ヌートリアと同様に簡単に捕獲できると思っていましたが、逃げ足も速く身体能力も高いため、一筋縄にはいかないと感じました。また個体差もあると思いますが、人間をかなり警戒していたため、近づくのも難しい様子でした」
がやまるさんの活動の原点には、「すべての生き物が生態系を支える存在だ」という考えがあるそう。外来種であっても嫌いな生き物はおらず、「できることなら、すべて大切に飼ってあげたい」と話します。しかし、法律や環境の制約から仕方なく「駆除」という手段を取っていると明かします。
「もともと『生き物が好き』という好奇心から始まり、いつしか『日本の自然を守りたい』と考えるようになりました。でも本来、この世に生きる生き物すべてが、生態系を成り立たせてくれる大切なパーツなんです」
最後に、視聴者に向けて、街中で外来種を発見した時の対応について教えてもらいました。
「まずは、日本にはこんな生き物がいる、ということを知ってほしいです。そして興味を持って、一歩踏み込んで考えてみてほしい。もし街中で見つけた場合は安易に近寄らず、私や近隣の市役所などに連絡してください。情報提供だけでもありがたいです」





