【高齢者医療】約3人に1人「物価高で負担が重い」 生活費を切り詰めて医療費を捻出するシニアが約半数
昨今の物価高は高齢者の医療費にどのような影響を及ぼしているのでしょうか。株式会社モニクルフィナンシャル(東京都千代田区)が運営する『ほけんのコスパ』が実施した「高齢者の医療費負担と資産防衛」に関する調査によると、約3人に1人が「物価高で医療費負担が以前より重く感じる」と回答し、そのうちの約半数が「医療費を支払うために生活費をできるだけ切り詰めて捻出」していることがわかりました。
調査は、過去3年以内に医療・介護を受けた70歳以上の男女500人を対象として、2026年1月にインターネットで実施されました。
まず、「現在の家計状況」について聞いたところ、全体の33.4%が「物価高(食費や光熱費)と相まって、医療費の負担が以前よりも重く感じるようになった」と回答しました。
「医療費や介護費用を支払うために行っていること」については、「物価高による医療費負担の増加を感じている」と答えた人のうち、52.6%が「生活費(食費・光熱費)をできるだけ切り詰めて捻出した」と回答し、まず最初に抑えやすい日々の食事や冷暖房などの生活水準を切り詰めて、医療費や薬代を支払っていることがわかります。
また、「普段行っている医療費の節約」について、生活費を切り詰めて医療費を捻出している層(インフレ負担層)と影響を受けていない層(余裕層)とで比較したところ、特に「少しの体調不良なら、受診せずに市販薬や自然治癒で済ませている」(負担層38.6%、余裕層12.8%)、「通院回数を減らすために、薬を長期処方(まとめ出し)してもらっている」(同36.4%、8.9%)で大きく差が見られました。
次に、「公的保険が適用されず、予想外に痛手だった出費」を尋ねたところ、インフレ負担層では「入院中の生活雑貨(パジャマ・オムツなど)」(43.2%)と「自己負担分の食事代」(29.5%)が上位に挙がり、高額療養費制度で医療費そのものは抑えられても、物価高の影響を直接受ける日用品や食事代といった「見えない出費」が、高齢者の家計を圧迫している実態が明らかになりました。
この見えない出費に備える手段の一つである「生命保険」の加入状況について尋ねると、インフレ負担層と余裕層いずれも7割以上が「生命保険に加入」(負担層80.7%、余裕層73.1%)しているものの、「十分な保障があるので安心」と答えているのは、余裕層が33.5%に対しインフレ負担層では9.5%と大きく差が開きました。
さらに保険料負担に関しても、インフレ負担層の19.3%が「保険料が高くて家計を圧迫している」と回答し、余裕層(2.2%)の約4倍となっていることから、医療費の負担を感じている人ほど、加入中の保険の保険料や保障で不安を感じていて、適切な見直しができていない状況にあることがうかがえる結果となりました。
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【出典】
▽ほけんのコスパ/「医療費負担増」を感じるシニアの52%が生活費を切り詰めている?インフレ時代の老後のリスク
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