企業が採用する障がい種別は「身体障がい」が半数超 「精神障がい」の雇用に難しさを実感する企業多く
企業が採用している障がい種別は「身体障がい」が半数超え、精神・発達・知的障がいの5倍に--そんな調査結果がレバレジーズ株式会社(東京都渋谷区)が運営する障がい者就労支援サービス『ワークリア』による「障がい者雇用における採用実態調査」でわかりました。「精神障がい」の雇用に難しさを感じている企業は約7割に達し、障がい種別ごとに雇用に対して感じるハードルに差が浮き彫りとなっています。
調査は、障がい者雇用を実施する企業の採用担当者143人を対象として、2026年1月にインターネットで実施されました。
2025年度(2025年4月~2026年3月)の障がい者採用における目標達成状況は、「達成済み」が34.2%、「達成見込み」が30.8%と6割を超えた一方、約5社に1社は「目標達成が難しい」(22.4%)と回答し、2026年7月の法定雇用率引き上げ(2.5%から2.7%へ)を前にすでに苦戦している企業の存在が明らかになりました。
また、「現在雇用している障がい種別」については、「身体障がい」(83.2%)が圧倒的に多く、最も少ない「発達障がい」(37.8%)と比較すると約2.2倍の差が見られました。
続けて、現在の採用活動において、「最も積極的に採用を進めている障がい種別」を聞いたところ、「身体障がい」(51.0%)が約半数を占め、「精神障がい」(11.2%)、「発達障がい」(8.4%)、「知的障がい」(9.1%)と比較して5倍以上の顕著な差が見られた一方、「全て同等に採用している」(20.3%)と回答した企業は約2割に留まりました。
「身体障がい」を積極的に採用している理由としては、「コミュニケーション面の不安が比較的少ない」(45.2%)、「業務の切り出し・役割設計がしやすい」「過去に身体障がい者の雇用実績があり、受け入れイメージが持ちやすい」(いずれも38.4%)が上位に挙がり、精神・発達障がいに対し、受け入れノウハウの不足を抱えている可能性が示唆されました。
また、「障がい種別ごとの採用・定着の難易度」について、「難しい」と回答した割合を見ると、「身体障がい」の42.0%に対して、「精神障がい」では70.7%と、約30ptもの差が見られました。
「難しい」と感じる理由としては、「身体障がい」では「応募が少ない」(45.0%)が最多であるのに対し、「精神・発達・知的障がい」では「適した業務が見つけにくい」(42.7%、43.6%、34.8%)が最多となり、「身体障がい」は採用前段階の母集団形成が、その他の種別では採用後の役割設計がそれぞれ課題となっている実態がうかがえます。
次に、「今後の障がい者の採用数」を聞いたところ、「増加する予定」が33.6%、「変化なし」が65.0%となり、9割以上が維持・拡大したいと回答。
そこで、「今後より積極的に採用を進めていきたい障がい種別」を聞いたところ、「身体障がい」(44.1%)が依然として最多となったものの、「精神障がい」が14.7%、「発達障がい」が11.2%と、いずれも1割を超える結果となりました。
これは、「現時点で最も積極的に採用を進めている障がい種別」への回答より多い割合となり、従来の採用・受け入れ方法だけでは対応が難しいと感じ、体制や業務設計の見直しに取り組み始めている企業が増えている可能性が考えられます。
なお、「障がい種別を問わずに採用するうえでの課題」については、「業務の切り出しや適切な役割設定を行うノウハウの不足」(40.2%)や「現場の社員が障がい特性への理解を深める機会の不足」(37.4%)が上位に挙がり、「個々の特性に合わせた役割の創出」や「必要な配慮」のための理解を深める機会の必要性が示唆されました。
◇ ◇
これらの調査結果を踏まえて同社は、「人手不足が深刻化する中で、企業が持続的に成長していくためには、障がい種別という枠組みだけで人材を捉えるのではなく、一人ひとりの特性をどのように活かせるのかという視点を持つことが、より重要になっている」と指摘。
そのうえで、「近年注目されている、発達障がい等の特性を強みとして捉え、社会の中で尊重する『ニューロダイバーシティ』は、人手不足が深刻化する中で、企業にとっても大きな可能性を秘めています」と述べています。





