「黒目が取れた」と慌てた18歳 19歳には心筋症に 吐血して寝たきりになってもご飯を催促…21歳で大往生したスコティッシュフォールド
猫の生命力は個別性が大きいが、純血種はミックスよりも短命な傾向にある。だが、ゆりゆさん(@notforever5_60)の愛猫すぴかちゃん(スコティッシュフォールド)は、21歳と大往生。
角膜が黒く壊死する「角膜黒色壊死症」を乗り越え、肥大型心筋症とも上手く付き合い、ニャン生を全うした。
■ブリーダーから迎えた“スコティッシュフォールド”
2003年の春、ゆりゆさんは知識のあるスコティッシュフォールドのブリーダーから、すぴかちゃんを譲り受けた。
幼い頃は尿路結石や血尿を繰り返したため、ゆりゆさんは猫の栄養学を勉強。肉が主原料のフードを選んだり、フレッシュな肉に猫用オールインサプリや野菜ペーストを追加したりするなど、工夫を凝らしたところ、尿路結石は起きなくなった。
スコティッシュフォールドは関節がコブ状に腫れたり、関節炎が出たりしやすいが、すぴかちゃんの場合は痛がる様子は見られなかったという。ただ、お迎え当初から右目が曇っているように感じていた。
「当時は、眼科医が近くにいなくて…。何度も動物病院で診てもらいましたが、原因不明でした。すぴ自身も気にしてなかったので、私も深刻に考えていませんでした」
■愛猫の黒目が取れた…とパニックに!
ところが、18歳の頃、角膜の滑らかさがなくなってきたように感じた。老齢だからかな…。そう思い、動物病院で処方された目薬を点していたが、1年ほど経った頃、驚きの事態に。
すぴかちゃんの顔を拭いていた家族は突然、「わぁ!」と叫び、「「黒目が取れた」と報告。ゆりゆさんが顔を確認すると、無機質だったすぴかちゃんの黒目が普通の黒目になっていた。
「家族の手には、丸い黒いプラスチックみたいなものがあって…。ネットで調べたら、角膜黒色壊死症という病気が当てはまり、翌朝、病院に行きました」
病院では正式に、角膜黒色壊死症であると診断された。角膜黒色壊死症とは、角膜が黒く壊死する病気。痛みが強い場合や病変が深い場合は、手術が必要になるケースもある。
「壊死部分が自然に剥離したのは、ラッキーなことだったようです。自然剥離した壊死部分は、プラスチックみたいな質感。こんなものが目についていたら痛かったのではないかと思いましたが、ご機嫌に過ごしていたので不思議です」
■突然の下痢から腸にできものがあることが判明!
19歳の頃には、健康診断で肥大型心筋症も判明する。幸い重度ではなかったため、心臓サプリの服用のみで元気に過ごすことができた。
だが、21歳になった頃、猫風邪を患い、下痢も見られるように。食欲はあったが、治療を受けても治らない下痢により体重は減少。貧血にもなり、増血剤やビタミンの注射を受けるようになった。
そこで、日帰り入院で検査を受けたところ、腸にできものがあることが判明する。
「リンパ腫の可能性があると告げられました。ただ、高齢のため、それ以上の検査はリスクが高く、できませんでした」
主治医と相談した結果、腸にだけ効くと言われているステロイド薬を試すことに。しかし、投与から10日ほど経った2024年6月30日。すぴかちゃんは夜に、レバー状の吐血をした。
元気はあったが、ゆりゆさんは翌朝、病院を受診しようと決断。吐血したものを写真に収めて、一緒に眠った。
「朝、水をたくさん飲む音で目が覚めて。『どうしたの?』と撫でたら、鉄の臭いがする茶色い水を大量に吐きました。吐血でした」
■寝たきりになっても“生きること”を諦めなかった
手が震える中、ゆりゆさんはその吐血も写真に撮り、病院へ。胃粘膜を保護する薬や吐き気止め、止血剤、ビタミン剤などを注射してもらった。
「呼吸が早かったので、その日のうちに酸素室をレンタルして設置しました。寝たきりになりましたが、マグロやトロトロフードは食べてくれたので、ビックリしました。」
あまり食べさせると、吐いてしまうだろうか。そう思ったが、ご飯をあげるのをやめると、すぴかちゃんは手をパタパタ。「もっとちょうだい」と催促した。
「不思議なことに、吐血後は下痢ではなくなりました。寝たきりで水下痢だと私たちが大変だと思って、がんばって治したのかもしれません」
■「お骨になっても、まだしてあげられることがある」と気づいて
酸素室で過ごし始めて1カ月が経った、7月31日。すぴかちゃんは夜、静かに息を引き取った。ペットロスの苦しみを和らげてくれたのは愛猫のジェットくんと、生前から支えてくれたXのフォロワーたち。
「骨壺カバーや骨壺にかけるネックレスを手作りするなど、まだしてあげられることを見つけるようにもなりました。すぴは私が作る猫ベッドが好きだったので、きっと喜んでくれてると信じています」
今いてくれる愛猫ジェットとの別れも怖い。でも、その時が来たら、自分の気持ちより愛猫の気持ちを考えて行動し、最期までできる限り穏やかなシニアライフを送ってもらいたい。
そう話すゆりゆさんの猫愛があったからこそ、すぴかちゃんは大往生できたのだろう。口腔ケアやシニア期の体重維持を意識し、3匹の愛猫を守ってきたゆりゆさんの日常には愛猫に長生きしてもらう秘訣が多く詰め込まれていそうだ。
(愛玩動物飼養管理士・古川 諭香)
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