死んだ飼い主を待ち続けた2匹の猫…食べ物も水もない、極寒の部屋に取り残され→命を救った緊迫レスキュー

「大好きな飼い主様との突然の別れ…」

そんな書き出しのInstagram投稿が、多くの人の胸を打った。

投稿したのは、大阪の動物保護団体 ワンハート大阪(@oneheartosaka)。年末年始の寒波の中、飼い主を失い、食べ物も水もない室内に取り残されていた2匹の猫を救出した一部始終を伝えた内容だ。

コメント欄には、「どれほど不安だったかと思うと涙が止まらない」「見つけてくれてありがとう」といった声が相次いだ。

■関係者からの連絡で判明した緊急事態

今回のレスキューは、関係者からの連絡を受けて始まった。

年末年始の寒波が続く中、飼い主が亡くなり住居内に取り残されている猫がいることが判明。現場では、最低限の水とご飯は置かれていたものの、猫たちは強い警戒心を示しており、すぐに保護できる状況ではなかったという。

その後、命の危険があると判断され、正式に団体へレスキュー要請が入った。

現場に入ったメンバーが目にしたのは、物音ひとつしない静まり返った部屋。床には段ボール、ゴミ、飼い主のサプリや薬が散乱し、正直、土足でしか入れない状態だったという。

■物音を立てず、猫を探す…息詰まる捕獲の瞬間

まず見つかったのは、窓際のカーテンの影で身を潜めていた白黒ハチワレの猫。出入口をすべて塞ぎ、洗濯ネットを使って慎重に捕獲した。

もう1匹の白ブチの猫は押し入れの奥に隠れており、捕獲は難航。一瞬の隙を突いて部屋中を走り回り、襖を開けて外に出ようとする場面もあった。

段ボールが散乱し、足の踏み場もない中で、「どこかに潜り込んでくれるのを待つしかない」そんな判断の末、狭い押し入れに誘導し、ようやく捕獲に成功した。

■「ガリガリに痩せている」命の危険を感じ、すぐ病院へ

捕獲時、特に心配だったのは体の細さだった。

「触った瞬間、かなり痩せていると分かりました。特に白ブチの子は背骨がはっきり浮き出ていました」

いつから食べられていなかったのかは不明だが、最悪で2週間近い飢餓状態だった可能性もあるという。

そのまま動物病院へ直行し、診察の結果、2匹とも脱水症状。特に白ブチの脱水は深刻で、すぐに点滴が行われた。またエイズ・白血病検査はいずれも陰性。ハチワレはメス、白ブチはオスで、現在はストレスを最小限にするため、ケージを覆って静かにケアが続けられている。

■「本気パンチが出るほど元気になった」

そして、団体に引き取られた白黒ハチワレ猫はアデリーちゃん(雌)、白ブチ猫はコウテイくん(雄)と名付けられた。当初、2匹はハンモックに籠城し、ほとんど動かなかった。しかし、夜には少しずつご飯を食べ始め、回復の兆しを見せている。

最近では、コウテイくんがスタッフを見ると“本気パンチ”を繰り出すほどに。

「パンチが出るということは、それだけ体力が戻ってきた証拠。時間はかかりますが、少しずつ信頼関係を築いていきたいです」

■「もしもの時」を考えることも、飼い主の愛情

今回の投稿を通じて、団体が最も伝えたかったのは、“飼い主に万が一があった時、ペットはどうなるのか”という現実だ。

ワンハート大阪では、単身者や高齢者への譲渡も行っているが、その条件として「後見人の確認」を必須にしている。

「ご自身に何かあった時、取り残される小さな家族が生き延びられる準備をしておく。それも、飼い主さまの大切な愛情だと思います」

今回のケースは、あくまで氷山の一角。表に出ない同様の事例は、もっと多いという。

2匹の猫は今、里親を探しながら回復の途上にある。元の飼い主が大切にしていた“段ボールの家”の記憶を胸に、その一歩が、静かに始まっている。

(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)

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