【漫画】懐かしさは5分、疲労は2時間…大人になってからの同窓会がしんどい 笑顔の裏で繰り広げられるマウント合戦

同窓会の案内が届くと、懐かしい顔ぶれとの再会や、学生時代の思い出話に花が咲く和やかな光景を想像するのではないでしょうか。教室でふざけていた姿や、放課後に他愛もない話をした記憶がよみがえり、つかの間、青春時代に戻ったような気分になる人も多いでしょう。増えた顔のしわと、すこしだけ大きくなったお腹回りを笑い合える時間…それが同窓会の雰囲気です。

■懐かしさが続くのは、ほんの数分だけ

神奈川県在住のAさん(50代)のもとに、数年ぶりに高校の同窓会の案内が届きました。ハガキを手にしたとき、Aさんの頭に浮かんだのは懐かしさではありませんでした。最初に出てきたのは、「これ、行く意味はあるのだろうか」という率直な疑問です。理由は単純で、つい先日、大学の同窓会に出席したばかりだったからです。

会が始まった直後までは、確かに楽しい空気があります。「久しぶり」「全然変わらないね」といった言葉が交わされ、数分間は学生時代の延長線に戻れたような感覚になります。しかし、その時間は驚くほど短く終わります。乾杯が終わる頃には、会話は自然と「今どうしているか」という現在地の確認へと移行するのです。

現在の仕事、肩書き、住んでいるエリア、結婚や子どもの有無。夫の職業や子どもの受験。誰かが昇進の話をすれば、別の誰かは起業した事業が軌道に乗っている、と続けます。身につけた洋服やブランドのバッグ、首元に輝くアクセサリー、誰も露骨に自慢しているわけではないのに、その場には見えない物差しが次々と並べられていくのです。

■笑顔の裏で始まる、静かなマウント合戦

地元の女子校から私立大学へ進学したAさん。学生時代は、狭い行動範囲でみんなが平等でした。しかし大人になると、人生の選択肢が増え、その分だけ比較の軸も増えていきます。本来なら比べる必要のないものまで、同じテーブルに並べられてしまいます。

誰かは饒舌になり、誰かは聞き役に回り、誰かは静かに心を閉じていきます。表面上は和やかでも、水面下では小さなマウントの応酬が続いている。その空気に、居心地の悪さを覚える人は少なくありません。

かつて対等だった関係が、年齢とともに微妙に歪んでいく感覚も否定できません。昔話よりも、現在の立ち位置を確認し合う時間が長くなるほど、懐かしさは薄れていきます。

■再会の場が「営業の入口」に変わる瞬間

さらに空気を変えるのが、営業の気配です。保険、エステ、不動産、投資、オンラインサロン。話題の流れは自然で、気づけば名刺を出すタイミングを探る視線が交錯しているようです。「よかったら後で連絡するね」という一言で、再会の場が商談の入口に変わるのです。

その時、Aさんはふと現実に引き戻されます。「私は何をしにここに来たのだろうか」と。懐かしい顔ぶれに囲まれながら、顧客候補として見られていると感じた瞬間、同窓会は別の意味を帯び始めます。

同窓会は、楽しい人にとってはかけがえのない時間でしょう。一方で、Aさんのように懐かしさより気疲れが勝ってしまう人がいるのも事実です。案内状を前に欠席通知を書く手が止まるのは、冷たい人間だと思われたくないからではありません。その違和感を、どう言葉にすればいいのか分からないだけなのです。

無理に参加しなくてもいいと思う一方で、距離を取りたいほど嫌なわけでもない。Aさんは自分自身に都合がいい理由を探します。懐かしさだけでは埋められないものが、確かにそこにはあるのです。

(まいどなニュース特約・松波 穂乃圭)

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