アメリカザリガニを駆除して1年…茶色く濁っていた池は、緑に覆われた豊かな水辺に 水草が繁茂し絶滅危惧種も確認された“生態系の回復”

濁って生き物の姿もほとんど見えなかった池が、わずか1年で緑に覆われ、多様な命が息づく場所へと変化した様子がYouTubeで紹介され、大きな注目を集めています。投稿したのは、生物多様性の保全活動を各地で行っているYouTuberのコミヤさん(@ariake538)です。

アメリカザリガニは駆除の成果が出て激減し、透きとおった綺麗な水には絶滅が危惧されている草類も復活。その劇的な変化に、「初期から比べると別の池みたいですね」「水質の改善が凄まじい」「素晴らしい、これからも応援します」と称賛のコメントが相次いでいます。

駆除開始から1年が経過し、改めて過去と現在の池を見比べたときの気持ちについて、コミヤさんは「昨年の濁った何もない池から、緑に覆われた生物豊かな池に、1年でここまで変わるとはと思っていませんでした。素直に驚いております」と振り返ります。

前回(2025年10月)のまいどなの取材「「池干しでも効かない」厄介な外来種アメリカザリガニ 1年で2万匹駆除すると……茶色に濁った池に水草が回復、多様な生き物あふれる水辺に」では、絶滅危惧種の復活が注目されましたが、今回の調査でも新たな発見がありました。ヒメミズワラビや、珍しいキクモが混生している様子が確認されたのです。

「キクモやヒメミズワラビは、この周辺の水田などで見られていたため、復活するのではないかなと考えていました。とはいえ『再生しそうだな』と考えていたものがほとんど全て、かつ旺盛に繁茂し、自然の回復の速度にただ驚かされています」

ザリガニが減ったことは、生態系に大きな変化をもたらしたといいます。かつては「アメリカザリガニが池の中の生き物を食べ尽くし、外から来る両生類や落ち葉なども食べ続ける、物質循環のブラックホールのような状態」だったそうです。しかし、水草が回復したことで栄養は昆虫やオタマジャクシとして池の外へと広がり、山へ行ったカエルはヘビや鳥類、哺乳類の餌となります。

「以前は消費するだけの場所でしたが、次第に生態系の場所となり、今では生産の場所に変わりました」

一方で、1年が経過しても小さなザリガニの姿は確認されています。

「アメリカザリガニの侵入は、もともとはごく少数の個体が捨てられたことなどから始まっています。そこからゆっくり増えていって、ある程度の数が揃うと爆発的に増えていくのです。そのため、現在は減っているからといって、自然に絶滅することはあまり期待できないだろう…と考えています」

アメリカザリガニの根絶、つまり完全な絶滅には3年はかかると考えている中で、2年目に向けて「画期的な方法はなく、これまでと変わらず堅実に進めていくしかありません」と話します。

コミヤさんにとってこの1年間は、天候との闘いでもありました。特に2025年夏は渇水が深刻で、多くの池や川が干上がったといいます。この池も水がほとんどなくなりましたが、事前に泥を抜いて掘り下げていた場所には水が残り、多くの生き物が生き延びました。

「環境を整備し、気候変動に耐えられる生態系を作っていくことが大切だと、はっきり見えた1年でした」

この活動の発信を通じて、同様の事態に悩む他地域からの反響も届いたそう。

「どのくらいアメリカザリガニを捕れば減り始めるのかを動画で発信できたことで、終わりの見えない防除ではないと示せました。実際に、『何とかなると感じて駆除に取り組み始めた』という声が届いています。我々も、このまま根絶事例を目指して頑張ります」

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