学校どう?→「先生に怒られた、なぜでしょう」…日常会話が全てクイズ形式になった一家の悲劇【漫画】
家族団らんの形はさまざま-。中には、すべての会話が“クイズ形式”になっている家庭もあります。日々のコミュニケーションにユーモアを取り入れたつもりが、知らず知らずのうちに「クイズ疲れ」が生まれていたというケースもあるようです。
都内に住む40代のHさん(男性)の家庭では、日常の会話がすべてクイズ形式になってしまい、楽しさと同時に小さな疲れも生まれています。
■家族の会話がすべて問題形式に
Hさんの家庭では、何気ない会話でもすべてクイズに変わります。例えば、Hさんが子どもに「学校どう?」と聞くと、小5の息子は「今日先生に怒られた。なぜでしょう?」と問題形式で返してきます。答えがなかなか出ないと、「クイズにしなくていいから、ちゃんと報告してよ」とつい怒りそうになってしまうそうです。
さらに、息子だけでなく、妻も買い物の話をクイズに変えてしまいます。「今日、私、スーパーで買い忘れたものがあるの、それを買ってきてください!」とHさんに伝え、息子も「えーと、卵かな?牛乳?」と楽しそうに回答します。わかるわけがないと感じつつも、ちゃんと教えてほしいと思いながら、Hさんはしぶしぶ子どもと買い物に出かけました。
■クイズの種類は多彩
Hさん宅のクイズは食事だけではありません。日常のあらゆる場面でクイズが飛び出します。移動中の車内では、信号や標識を使った「視覚クイズ」が始まります。例えば、妻が「あと何個の信号を越えたら赤で止まるでしょう?」と出題し、子どもが「5!」と答える、というやり取りです。ちょっとした道のりが、まるでテレビのクイズ番組のようで車内は楽しそうでした。
また、家の中でも「音クイズ」や「物当てクイズ」が日常化しています。お菓子の袋を小声で振って「これは何のお菓子の音でしょう?正解したら食べていいよ」と聞いたり、リモコンや靴の位置を当てさせたりするのです。さらに、取り込んだ洗濯物の山からパジャマや靴下のペアを当てる「洗濯畳みクイズ」や、冷蔵庫の奥に残った調味料を探して当てる「隠しアイテムクイズ」、さらにはテレビ番組のワンシーンを真似して「次に起こる展開は?」と予想させる「ドラマクイズ」まで登場します。
Hさんは最初こそ新鮮で楽しかったものの、毎日繰り返されると次第に疲労を感じるようになりました。ちょっとした雑談をしただけなのに、どの話題もすぐに「クイズ化」されるのです。
■子どもまで巻き込まれる「クイズ連鎖」
Hさんの息子は、友達との会話の途中でも「ねえ、クイズ出すね!」と言い、友達も半ば仕方なく答える、という事態が起きているそうです。家庭内の習慣が、子どもの日常生活にも影響を与えているのです。
息子は本格的にクイズ本を購入し、いずれクイズ番組に出たいと言っています。そして、優勝を目指そうと日夜クイズ研究に励んでいます。テレビで見たもの、興味がある食材などについて、その背景を調べ、なんでもクイズにする熱心さにはHさんも感心しています。
■クイズ疲れと家庭コミュニケーションの多様性
家庭でのクイズ形式の会話は、一見微笑ましく、ユーモラスに映ります。家族で笑いながら答えを考える時間は、確かに団らんのひとときです。しかし、毎日同じ形式が繰り返されると、無意識のうちに疲労感が積み重なります。「ただの雑談がしたい」という欲求が徐々に強くなり、家族とのコミュニケーションに小さなストレスを感じることもあるのです。
家族のコミュニケーションスタイルは多様であり、ユーモアの形もさまざまです。楽しさと負担のバランスを意識し、家族全員が心地よく過ごせる会話の時間を工夫することが、日々の家庭生活にとって大切だと言えるでしょう。
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あなたの家庭で変わった団欒はありますか?
▽大阪府(40代・女性)
息子が百人一首かるたや俳句を学校で習ってきて、家庭内の会話が五・七・五(七・七)になりました。息子が「牛乳ない?」と言いたいときに「朝の冷蔵 静かに並ぶ 白のなし」とか「宿題の 算数むずい 無理かもね」と言ってきます。返答は下の句で返します。面白いけど、急ぎのときも詠まないといけないので、めんどくさいです。
▽神奈川県(40代・女性)
家事をポイント制にしていて、そのポイントを使って家族でなんでもオークション形式にしています。食後のデザートの選択やテレビのチャンネルなど、ちょっとしたこともすべてオークションで決めます。プリン100ポイント、ケーキは150ポイント、アイスは50ポイントと、各自が自分の持ちポイントを消費して競り落とします。率先して家事をやってくれるので私も満足しています。
▽埼玉県・50代・男性
高校生の娘が演劇部に入ってから導入された団らんです。夕食後の20分間、家族全員が声を出してはいけないルールになりました。表情や身振り手振りだけで伝える練習だそうです。「明日の弁当、おにぎりでいい?」と聞きたいときは、おにぎりを握る動作をします。複雑な内容になると、途端にカオスになり、「部屋を掃除しろってこと? いや違う、怒ってる?」「Wi-Fiが遅いって言ってるんだよ!」という具合に、ジェスチャーの解釈で家族会議が紛糾します。なぜその沈黙でその会話なのだと疑問に思うのですが、誰もやめようと言い出さないので続いています。
(まいどなニュース特約・松波 穂乃圭)





