「保護者の支援は保育士さんの仕事でしょ?」お迎えに遅れ、土日も預けるママ 不遜な言葉を投げつけられた保育士に共感の輪【漫画】

保育園では保護者への支援も求められますが、その対応は保護者の事情に大きく左右されるようです。まえだ永吉さんがX(旧Twitter)に投稿した作品『保護者支援もアンタ達(保育士)の仕事でしょ?』では元保育士の作者が、子どもと保護者支援に向き合う葛藤を描いています。

はると(2歳)の母・音喜多あいかは、今日もはるとの食事を急かしながら家を出ます。あいかが保育園に到着したのは6時45分で、まだ入口が開いていないことにいら立ちを見せていました。

保育士が「7時前に開けることは難しい」と伝えると、あいかは「私も仕事の準備で忙しいんです!忙しい保護者の支援は保育士さんの仕事じゃないんですか~?」と悪びれる様子もなく言い放ち、立ち去りました。

はるとの帳面には『今日のお迎えは19時』と書かれていましたが、あいかはたいてい遅れて到着します。ときどき土日も預けるうえ父親の姿をほとんど見ないため、保育士たちははるとを心配していました。

どうやらあいかはエステサロンで勤務しており、はるとの父はブラック企業に勤めているようです。

あいかは仕事に熱心とはいえ、保育士から見ると子どもに十分に向き合っていないように感じられました。そんななか、保育士たちははるとの帳面に「土ようと日よう保育おねがいします!」との記入を見つけます。

そこで遅番の保育士・青井は、相変わらず遅れて迎えに来たあいかに「土日保育を入れるならどこか平日で代休を取ってくださいね」と告げました。答えをはぐらかすあいかに対し、青井は「大人でも週休2日なのに、お子さんが休みなしで保育園に来るのは疲れますよ?」と優しく諭します。

それに対し、あいかは「保育園なんて遊んでお昼寝してるだけじゃないですか~疲れませんよね?」と反論しました。青井は「父母と過ごす時間を大切にしてほしい」と伝えますが、あいかは「可哀そうにしないために保育士がいるんでしょ!?」と怒りをあらわにします。

青井はあいかの感情を逆なでしたと感じつつも「育児に悩みや相談があれば、いつでも話してくださいね」と冷静に伝えました。気まずくなったあいかは返答せず、そのまま帰宅します。

翌日、あいかは帳面になにも書かず、はるとを預けました。

前日の出来事を聞いた保育士は、不妊治療のために有給をもらう三國谷を見て「どうして音喜多さんのところには子どもがいて、優しくて子ども好きの三國谷先生には子どもが来ないんだろう」とふと考えてしまうのでした。

同作に対しSNS上では「保護者にも保育士にもいろいろな事情があるよね」「こういうことよくある…」など、さまざまな立場からのコメントが寄せられています。そこで、作者のまえだ永吉さんに話を聞きました。

■保護者や保育士ではなく、子どものことを第一に考えて欲しい

-登場人物にはモデルとなった人物や、保育士としての経験を反映した部分などはあるのでしょうか。

私が見聞きしたり経験した事を色々と織り交ぜてお話やキャラクターを作りました。なので特定の人1人をモデルにした訳ではありません。またSNSでも度々保育士さんと保護者の方の意見がぶつかってるものを見ていて...まずはお子さんの事を第一に考えてほしいなと思ってこの漫画を描き始めました。

-保育士たちは保護者の感情を逆なでしないことを強く意識しています。

クレームやトラブルに発展すると対処が面倒だからです。と、いうのは個人的な意見(と言っておく)。保護者の子育てのサポートをしていくのも保育士の役割なので...

どんな問題にしろ、両方が感情的になっていては話し合いにならないので「保育士」であるときは冷静に対応した方がいいと思います。

-読者へメッセージをお願いたします。

読んでいただきありがとうございます。私の漫画を読んで少しでも何かを感じていただけたらうれしいです。今回の漫画は思い入れが強いので長くなっていますが、納得のいく形で完結まで描き切りたいと思いますのでどうぞ読んでやってください。

(海川 まこと/漫画収集家)

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