庭にぽつんといた子猫…もう1匹は排泄物まみれ 放っておけなかった2度の保護 甘えん坊の兄と天真爛漫な弟がくれた温かな日々
元保護猫のしまちゃん(サバトラの男の子)と、みやびちゃん(茶白の男の子)。ふたりは時期こそ異なるものの、どちらも飼い主さんの実家の庭に姿を見せるようになったところを保護されました。現在は、Xユーザー・ふみさん(@xAzwizeAQXhHvPi)と、先住猫のひゅうちゃんとともに暮らし、家の中に温かな変化をもたらし続けています。
飼い主さんにとって、思いがけず訪れた小さな命との出会いは、日常の風景をゆっくりと、しかし力強く変えていきました。
■庭先にご縁があったーー2匹の子猫との出会い
しまちゃんとの縁が訪れたのは、2018年9月13日のこと。季節は秋へと移ろい、気温が下がり始める頃でした。
「サバトラ猫のしまちゃんを保護したのは、2018年9月13日。実家の庭に住み着いていたのですが、『このままでは身の安全を確保することは難しい』と思い、保護しました。当時、生後推定6カ月ほどで、幸い、体調は良く元気いっぱいでした」
家族として迎えようと決めた背景には、もうひとつ理由がありました。
「先住猫のひゅうちゃんが毎日ひとりぼっちで留守番をしていたので、良い友だちになってくれたらいいなという思いもありました」
その約1年半後、2020年5月29日。ふたたび、実家の庭で小さな命と出会うことになります。
「茶白のみやびちゃんを保護したのは、2020年5月29日。同じく実家の庭にいたのですが、体に排泄物がついたままになっているのを目にしてかわいそうに思い、お迎えすることにしました。生後推定2カ月ほどで、のんびりしたところがかわいらしい子でした」
すでに2匹の猫が家にいたため、心の中には迷いもあったといいます。しかし、目の前の幼い命を思うと、その迷いはすぐに消えていきました。
「外での厳しい暮らしをさせるにはあまりに小さく、放っておけないという気持ちがまさって保護することを決意しました」
小さな庭先は、気づけば新しい出会いの入口になっていました。
■おっとり兄弟と先住猫ーーあっという間に家族に
まず家にやって来たしまちゃんを見た先住猫のひゅうちゃんは、驚いたようにシャーシャーと威嚇したといいます。
「突然、家にやって来たしまちゃんを目にしたひゅうちゃんはシャーシャーと威嚇しましたが、しまちゃんはまったく動じませんでした。あまりにおっとりしているしまちゃんが相手ではケンカにもならなかったようです」
その落ち着きぶりは家での暮らしにも良い方向に働いていきました。
「しまちゃんは、とてもスムーズに家での生活に慣れてくれたのでホッとしたのを覚えています」
そして約1年半後、みやびちゃんが加わり、家はさらににぎやかになります。
「みやびちゃんもおっとりさんだったため、ひゅうちゃんの威嚇も何のその。留守番中、ひゅうちゃん、しまちゃんとケンカすることはありませんでした。帰宅して、何事もなく過ごしている3匹を見て『猫は優しいな』と思いましたね」
子猫ならではの失敗も、今では懐かしい思い出のひとつです。
「ひゅうちゃんは、なかなかトイレを覚えることができなかったので、部屋中にペットシートを敷いて粗相への対策をしたのも今ではいい思い出です」
3匹になったことでお世話をする時間は増えたものの、家の空気はこれまで以上にあたたかく、にぎやかになりました。
■「幸せをもらったのは私」 愛猫への感謝
今、しまちゃんは7歳。家族の中で“優しさ”を象徴するような存在です。
「しまちゃんは現在7歳を迎えました。性格は穏やかで優しく甘えん坊。私にべったりです。弟猫・みやびちゃんに噛まれても反撃しません。しまちゃんの優しさを私も見習いたいです」
一方、末っ子のみやびちゃんは、生来の天真爛漫をそのままに育ってきました。
「みやびちゃんは現在5歳。内弁慶で、家の中では大威張りしていますが、病院では小さくなっています。困ったところもなぜか許せてしまえて、見ているだけで元気をもらえる子です」
ふたりが家に来た当時のことを思い返すたび、胸に浮かぶ思いはひとつ。
「保護したときは、『幸せにしなきゃ』と思っていましたが、改めて振り返ると、幸せにしてもらったのは私のほうだったなと思います」
(まいどなニュース特約・梨木 香奈)





