実家の照明、約5割が「蛍光灯のまま」もしくは「現状把握せず」 10年以上交換せずのケースも多数 2027年の製造終了前に確認を
水銀による環境汚染と健康被害を防ぐため、一般照明用の蛍光ランプ(蛍光灯)の製造・輸出入が2027年末までに段階的に廃止されます。パナソニック株式会社(東京都港区)が実施した「実家のあかり環境」に関する調査によると、実家の蛍光灯器具の使用年数について、「10年以上使用している」と答えた人が半数以上に上ることがわかりました。また、LEDに交換していない人のうち、約半数が「実家の照明器具の確認は不要」と回答しました。
調査は、実家から離れて暮らす20代~50代の男女800人を対象として、2025年7月にインターネットで実施されました。
その結果、実家の各部屋についている照明器具について、LED照明に「まだほとんど変えていない(ほぼ蛍光灯器具がついている)」(10.3%)、「まったく交換していない(すべて蛍光灯器具がついている)」(14.3%)、「わからない」(26.1%)を合わせると50.7%となり、約半数がいまだに実家の照明環境が蛍光灯のまま、もしくは把握できていないことが明らかとなりました。
次に、まだLEDに交換していない364人に対して、「蛍光灯の使用期間」を尋ねたところ、照明の適正交換時期は10年とされている中、「10年以上使用している」と答えた人が54.7%と、半数以上が適正交換時期を超えて使用していることがわかりました。
さらに「30年以上」使用している人は15.4%となり、リスクの高い状況にある中、蛍光灯器具を使い続けている人もいる実態が明らかになりました。
他方、LEDに交換している395人の「LED照明器具の使用期間」としては、「5年~9年」(38.2%)と最も多くなったほか、「10年以上」使用している人も17.2%いることがわかりました。
次に、「長期使用によって事故がおこるリスクを考え、次回帰省時に実家の照明器具を確認したいと思いますか」と聞いたところ、「とても思う」「少し思う」を合わせると51.0%となりました。一方で、約半数の49%が「あまり思わない」「まったく思わない」と回答しており、先送りにする傾向も見られます。
これらの結果を受けて同社は、「照明の適正交換時期は10年とされており、”ランプ交換すればずっと使える”という考え方は間違いです。使い続けた古い照明器具は発煙・発火の危険があるため、早めの器具ごと交換をおすすめします」とコメントしています。
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なお、同社のライティング事業部の鈴木勝氏は「照明のプロが教える、器具ごと交換をすすめる理由と交換のポイント」として以下のように解説しています。
Q:LEDへの交換を検討していますが、なぜ器具ごと交換しなくてはいけないの?
A:一般的に、蛍光灯器具の場合は 「安定器」 と呼ばれる電源部品が照明器具側に設置されているため、蛍光灯ランプを交換するだけでは(明るさは戻っても)この安定器の経年利用による劣化というのは止まりません。
従って多くの家電製品同様に、おおよそ10年を経過しますと故障率が高くなり、最悪の場合、発煙や発火というトラブルに繋がる恐れもあります。いま市場にはランプの交換のみでLED化可能な商品が多く出回っていますが、『バイパス工事』と呼ばれる安定器をカットする電気工事を伴わない場合、この安定器の劣化問題は解決しません。また、蛍光灯安定器には複数の種類があり、この安定器の種類とランプの組み合わせを誤ると、これもまた発煙や発火のリスクを伴います。
Q:LED器具と蛍光灯器具の見分け方は?
A: 照明器具のカバーをあけて中を確認すると、光源の形状、または品番(型番)で見分けられます。「チューブ状のランプ」であれば蛍光灯が多く、「ツブ状の光源」であればLEDです。(チューブ状のランプであっても、LEDランプの場合もあります)
ランプに記載の品番(型番)で見分ける場合、「F」から始まる品番であれば蛍光灯、「EF」から始まる品番であれば電球形蛍光灯が多いです。(海外製品では品番の表記が異なることがあります)
Q:工事を頼まなくても自分で交換できる照明はありますか?
A:例えばシーリングライトの場合、天井に上図のような配線器具があれば自分で交換できます。配線器具がなく天井に直に設置されている照明器具は交換に工事が必要になる可能性がありますので、お近くの販売店・工事店にご相談ください。
Q:LEDのメリットを教えて
A:蛍光灯器具からLEDシーリングライトに交換すれば消費電力は約半分になります。また、白熱灯からLED電球に交換すれば約8割も消費電力がカットできます。電気代の高騰を踏まえると、早めの器具交換で節電効果はより高くなります。高所作業を伴うランプ交換の手間を削減できるのもメリットです。
調光と調色(※)ができることで、部屋の雰囲気を自由に変えられたり、虫が寄りにくいなどのメリットもあります。
(※)すべてのLED照明が調光・調色可能ではありません。搭載機能は製品により異なります。
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【出典】▽パナソニック調べ





