テレビ消したら、友達の2歳児がギャン泣き→「もうちょっとつけて」と言われ… 友達の子育てが不安に、どう対応すれば?【メンタル指導専門家が解説】
Aさんには2歳の子どもがいます。ある日、同い年の子どもがいる近所に住むママ友Bさんを家に招待することになりました。Bさんの子どもはテレビを見るのが好きなようで、家に着いた瞬間、テレビを指差しました。Aさんは「見たいの?見ていいよー」と、テレビをつけました。ちょうど子どもが好きなアニメを放送しており、子ども2人で仲良く観ている間に、Bさんとお喋りを楽しんでいました。
アニメのエンディングテーマが流れ始めたので、Aさんは「そろそろ終わりにしようか」と放送が終わると同時にテレビの電源を切ると、Bさんの子どもが火がついたように泣き始めました。すると、Bさんは「ごめんねぇ、テレビ大好きで。もうちょっとつけてもらっていていい?」と言われ、テレビの電源を入れることに。
Aさんは、他人の子育てに口出しをするつもりはありませんが、「このままではワガママに育ってしまうのでは?」とモヤモヤします。子どもに主導権を握らせると、ワガママな子に育ってしまわないのではないでしょうか。オリンピック選手へのメンタル指導や子ども・保護者への教育講演などをおこなっている川谷潤太さんに話を聞きました。
■「共感」と「言いなり」は別もの
ーBさんのように、子どもの言うことばかり聞いているとワガママな子にはならないのでしょうか?
2歳児は、感情を言葉で表す力が未熟です。テレビを消して泣いたのは、「もっと見たい」「急に終わって戸惑った」などの自然な気持ちの表れです。大切なのは、すべての要求に応えることではなく、気持ちを受け止め、共感することです。
ただし「共感」と「言いなり」は別です。感情を受け止めつつも、適切な境界を持つことが大切です。特に3歳以下の時期は、喜怒哀楽を身につける土台作りの時期。この時期に好奇心を否定せず、豊かな感情を育てていくことが重要です。
ー子どものワガママにどう対応すればいいのでしょうか?
私が推奨する対応方法は、「感情は受け止め、行動には適切な導きを与える」というアプローチです。 具体的には、次のように進めるとよいでしょう。
1. まず子どもの気持ちを受け止める
「テレビが面白くて、もっと見たかったんだね」と、子どもの感情を言葉にして伝えてあげることです。これによって子どもは「自分の気持ちを理解してもらえた」と感じることができます。
2. 感情的に叱ることを避ける
例えば、お子様が食べ物を投げ散らかした際に、感情的に「ダメ!」と怒ると、投げるという行為にマイナスの感情が結びついてしまいます。「いいね!」と認めてあげると好奇心を育てることにつながります。
3. 「危ないよ!」「ダメ!」という言葉に頼りすぎない
お子様が何か新しいことをやろうとしている時、すぐに「それは危ないよ!やめなさい!」と声をかけることは、好奇心を奪うことに。基本的に「じーっと見守ってやる」だけで良いとされています。
4. 事前の約束を大切にする
「あと5分で終わりにしようか」「時計の長い針が12になったら終わりね」など、事前に約束を作ることで、子どもも心の準備ができます。
ーワガママを許す・許さないの境界線はありますか?あるとしたら判断基準は何でしょうか?
自分や他人を傷つける行為や他人に迷惑をかける行為はやめさせましょう。反対に、好奇心に基づく行動や創造性・自主性を育てる行動、間や場所の調整で可能な行動は、話し合います。
しつけは4~5歳ごろからでも遅くありません。それまでは「認める・褒める」を優先し、プラスの感情を積み重ねていくことが、学びや挑戦への前向きな姿勢につながります。「なぜダメなのか」を年齢に応じて伝えることで、自分で判断する力も育ちます。
好奇心旺盛に行動するのは、自我の発達によるもの。抱っこや触れ合いは「幸せホルモン」オキシトシンの分泌を促し、幸福感や意欲を高めてくれます。
子育てに正解はありません。だからこそ、子どもの気持ちに寄り添いながら適切な境界を持ち、その子らしさを引き出していくことが、親としての大切な関わり方ではないでしょうか。皆さんの子育てのヒントになればうれしいです。
◆川谷 潤太(かわたに・じゅんた)株式会社脳レボ 代表取締役社長
大手学習塾で当時史上最年少の校長に就任。その後、高校教員として甲子園出場や日本一の部活動を育成。現在は株式会社脳レボ代表として、脳科学に基づくメンタル指導や教育支援をおこない、オリンピック選手やプロ野球選手などのアスリートやスポーツチームへのメンタル指導、子ども‧保護者‧教員向けの教育講演、企業の人材育成マネジメントや研修などを開催。これまでに講演は全国で1,500回以上、受講者は12万人超。
(まいどなニュース特約・長澤 芳子)
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