トライアル失敗の絶望から一転… 病気の子猫との出会い、そして小さなビビリ猫を迎えて 性格の違うふたりが心を通わせ家族になるまで

キジトラの男の子「さくら」くんと白黒の女の子「すみれ」ちゃんは、X(ツイッター)ユーザー・さくら&すみれさん(@SAKURA_cat1230)の家で暮らしています。

今ではすっかり仲良しなふたりですが、お迎えされた時期はそれぞれ別。飼い主さんの家できょうだいになりました。ふたりは、どのように飼い主さんと出会ったのでしょうか。詳しいお話を伺いました。

■保護猫のトライアルに失敗…直後にご縁が

2018年、飼い主さん夫婦は、当初、保護猫を迎えようと思い、譲渡会へ出向きました。そして、ひとりの保護猫と出会いましたが、残念ながらトライアルは失敗に終わってしまったといいます。

「夫婦そろってとても落ち込みました。それでも『猫と暮らしたい』という思いは消えず……。ある日、外出中に立ち寄ったお店でキジトラ猫が目に留まりました。よく見ると、病気で頭がハゲている様子。それが、さくらでした」

飼い主さん夫婦は、さくらくんをお迎えすることに。出会ってから2カ月後、さくらくんは頭のハゲた部分の治療を終えて飼い主さん夫婦の家にやって来ました。

「さくらは、すぐ家に慣れてくれました。私は猫と暮らすことが初めてだったので、ごはんや病気のことなどわからないことが多く大変だったのを覚えています。それでも、さくらはすぐに懐いてくれました。夜、一緒に眠ってくれたときはうれしかったです」

さくらくんと飼い主さん夫婦は、こうして家族として新たな生活をスタートしたのです。

■譲渡会でふたりめの猫をお迎え

さくらくんと暮らし始めて、3年ほど経ったとき、飼い主さん夫婦はふたりめの猫を迎えたいと考えるようになりました。

「さくらを迎える前、トライアルでお世話になった保護団体さんが譲渡会を開催することを知りました。夫婦でよく行くデパートの前ということもあり、足を運ぶことに。すると、人前では緊張してしまいすぐに隠れてしまう生後6カ月ほどの猫と出会ったのです。それが、すみれでした」

こうして、すみれちゃんは、飼い主さん夫婦に迎えられたのです。

お迎え当初、すみれちゃんはその臆病でビビりな性格から、落ち着かない日々を過ごしたといいます。

「威嚇と噛みつき、猫パンチをされて、私たちは生傷が絶えない日々を過ごしました。手は傷だらけになり、心も折れる寸前。妻に至っては、すでに心が折れて、恐怖心さえ抱くようになったのです。それでも、すみれがこのような行動になるのは、小さいながら自分の身を守ろうとして攻撃的になるのだということを学んだのです。その後は、すみれと先住猫のさくらがとても仲良くなったことで、私たちにも近寄ってきてくれるように。そのときは、とてもうれしかったです」

すみれちゃんは、当時、猫風邪をひいていて、体重は600グラムしかなかったといいます。

「先生から『避妊手術するまでに体重を増やさなくてはいけないのだけれど、この子は増えないかもしれない』と言われました。その後、何とか体重を増やし避妊手術を受けることができたという経緯があるので、健康面には気をつけています。現在は、体重4キロまで増えて元気になってくれました。うれしい限りです」

■個性豊かなふたり…今、飼い主さんが伝えたいこと

さくらくんは、もうすぐ7歳。そして、すみれちゃんは、現在推定3歳になります。

「さくらは、甘えん坊で、頭の良い子です。いつも私たち夫婦と一緒にて、くっ付いて歩いたり、夜も一緒に眠ったりします。また、甘えるときの鳴き声にいくつかパターンがあって使い分けているようです。人一倍、独占欲が強いので『ひとりっ子のほうが良かったかも』と病院の先生からも言われました。それでも、すみれの面倒をよく見てくれます」

「一方、すみれは、ひとりにはなりたくないタイプです。お留守番もできませんし、ケージに入っているときも私たちの姿が見えなくなると暴れることもしばしば……。今も。さくらにべったり、付きまとっています」

今、飼い主さんはさくらくん、すみれちゃんに伝えたいことがあるといいます。

「いろいろとあったけれど、我が家に来てくれて、家族になってくれてありがとうね。これからも、仲良く幸せに。そして、太りすぎないように過ごしていこうね」

(まいどなニュース特約・梨木 香奈)

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