シニア犬だから棄てた? 推定11歳超のチワワは目も耳も不自由だった 飼い主の非情に憤り「どこかで死んでくれとでも思っているのか」

各地の動物愛護センターには、連日のように行き場を失った犬猫が収容されます。10歳を超えたシニア犬もいれば、生まれたばかりの子犬子猫もいます。妊娠中のワンコが収容期間中に出産するケースも珍しくはありません。

2023年の暮れ、福岡県の動物愛護センターにかなりのシニアのチワワが収容されました。福岡県直方市で保護され推定年齢11歳以上のオス。両目は見えていない様子ですが、それ以外にもとにかく体の調子が悪そうで、エサも食べません。

■保護当時のテツは異臭を放っていた

このおじいちゃんチワワを知った福岡県を拠点に保護活動を行うボランティアチーム、わんにゃんレスキューはぴねす(以下、はぴねす)ではこのチワワを引き出すことにしました。保護ネームは「テツ」。当初は体から異臭を放っていましたが、何より体調のことが心配です。保護したその足で動物病院へと連れていきました。

獣医師の診断は「血液検査の結果は思ったより良いが、尿素窒素の数値が高い」とのことで経過観察をすることになりました。また、目もあまり見えておらず耳も聞こえていないのか、音の反応が悪いようですが、これはシニア犬には多く見られるもの。スタッフはなんとかテツが元気を取り戻してくれるよう、獣医師の指示を仰ぎながら世話をすることにしました。

■目も耳もダメ。鼻先を頼りにご飯の場所を探す

はぴねすの代表は、ひとまずテツを家に連れて帰り様子を見ることにしました。毛に覆われているため、体の様子は触れてみなければ確認できませんでしたが、骨と皮だけの状態でした。

代表は「早く元気になってほしい」とまずはエサを用意。目は見えず耳も聴こえない一方、鼻は少しきくようで、クンクンと匂いを嗅いだ後、鼻先でその場所を探りながら食べてくれました。

食べた後はぐっすり熟睡。代表が「息をしているのか!?」と心配になるほどの熟睡ぶりですが、超シニア犬なのでそれだけ疲れやすいということのようにも映りました。

■何歳だろうが、持病があろうが、生きる権利がある

テツは不意に鳴き叫ぶこともありました。「認知症かもしれない」と思う代表でしたが、どれだけ高齢でどれだけの持病があろうとも与えられた命を全うする権利はどの犬猫にもあります。このことから代表はできる限りのお世話をし続け、テツを温かい家庭へと繋いであげたいと思いました。

最後に代表はこうも話してくれました。

「ここまでのシニアになって棄てるということは、元飼い主は『自分の目の前ではない、違う場所のどこかで死んでくれ』と願っているのかもしれません。テツの月齢や持病を鑑みれば、その余生はそんなに長くないようにも思います。しかし、現にテツは今現にこうやって生きており、生きる権利、幸せな生活をおくる権利があります。テツはシニア犬で持病もありますが、これらの全てを理解し、最期の日を迎えるまで、たっぷりの愛情を注いでくれる里親希望者さんを募集します。

そして、テツのほかにも新しい家族を待つワンコ、理不尽な理由から行き場を失ったワンコはほかにもいます。こういった子たちを1匹でも多く幸せな犬生へと進めるように、これからも活動を続けていきたいと思います」

わんにゃんレスキューはぴねす

https://ameblo.jp/happines-rescue

(まいどなニュース特約・松田 義人)

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