3700万円で即決した「ルーフバルコニー付き」中古マンション 空き巣に入られて驚愕「最上階の部屋なのに、どうして…」

空き巣に入られるのはどういった物件をイメージしますか? 一戸建ての家、マンションの低層階の部屋などが思い浮かぶと思います。マンションの最上階が狙われるとはあまり考えが及ばないものですが、そういった考えを逆手にとって空き巣に入られるというケースもあるようです。

■オートロックは付いていなかったけど…

Sさん(30代、岐阜県在住、専業主婦)は夫(30代、製造業勤務)と子ども(5歳)との3人暮らしです。子どもが進学する年も近いということで、今の賃貸に住み続けるか、引っ越してマンションや戸建てを購入するか悩んでいました。

今の賃貸でも学区は悪くないので「このままでも良いのかな」とも思ったのですが、夫が小さい頃ルーフバルコニーのあるマンションに住んでいて、ビニールプールを出してもらって遊んだり、ちょっとしたBBQなどしてもらったことが楽しかった記憶があると言っており、子どもにもそういった体験をさせてあげたいと夫婦で考えるようになりました。そこで、庭付きの戸建てかルーフバルコニーがあるマンションの部屋を探すことにしました。

物件探しの方法は、SNSでルーフバルコニーと検索しても全然見つからなかったので、何件か不動産屋さんに相談に行き、「ルーフバルコニーのある物件が出てきたら教えて欲しい」とお願いしました。

その間にも、戸建ての建売物件も並行して見に行きました。しかし、いずれも少し駅から離れており、学区も希望のところではなかったので、なかなか良いものが見つかりませんでした。

長期戦も覚悟して探していたそんな時、不動産屋さんから「最上階のルーフバルコニー付きの物件が見つかりました」との連絡を受けました。すぐに見にいくと、その物件のルーフバルコニーは想像よりも広く、とても開放感がある部屋でした。

子どもも、内覧の時点で楽しそうに走っていたのが印象的でした。ここなら、近隣に迷惑をかけない程度にビニールプールや、プチキャンプも楽しめると思い、価格も3700万円と予算の範囲内だったため、即決で購入しました。

オートロックなどが付いていないマンションだったため、防犯面で少し不安がありましたが、購入するのは低層階ではなく、最上階の部屋。管理人さんも巡回してくれているので、大丈夫かなと思うことにしました。

■楽しい旅行から帰ってきて…どうして?

引っ越してから3年が経ち、子どもも小学校に上がり、順風満帆に日々を過ごしていました。

ルーフバルコニーも大満足で、子どもが落下しないように注意を払う必要はありましたが、それ以外は遊びに趣味に活用していました。

子どもが夏休みに入り、家族で3泊4日の沖縄旅行に行くことにしました。しっかり、戸締りもして、管理人さんに留守にすることも伝えて万全の状態で出発しました。

そんな楽しい旅行から家に帰ってきて、驚愕しました。

なんと空き巣に入られていたのです。物色され、ぐちゃぐちゃに荒らされた室内。割れた窓ガラス。その光景は衝撃的で忘れることはできません。子どもも大泣きしていました。

すぐに警察に連絡して、対応してもらいました。

そもそも、最上階の部屋なのになぜ侵入されたのか、不思議でなりませんでした。訪れた警察官に侵入経路のおおよそを聞いたところ、ルーフバルコニーから侵入しているとのことでした。

ここの部屋は最上階ですが、上に共用部分のスペースがあります。普段は使うことがなく、そこに行くにも、普段鍵がかかっている階段から行くしかないのですが、鍵がなくても入ろうと思えば簡単に超えてしまいそうな造りになっていました。

そこから共用部分に侵入して、ルーフバルコニーに侵入したのだろうと教えてくれました。

それを聞いた時は、ゾッとしました。外出中を狙ったのだとは思いますが、子どもがいたタイミングとかで出くわしたらどうしたのだろうなど、色々考えました。

それからは、引っ越しも考えましたが、子どもを転校させるのも可哀想だし、都合よく空き物件もないので、窓ガラスを割れにくい強化ガラスにしたり、セキュリティの会社と契約するなどして、今の部屋の防犯面をより強固にしました。

最上階だからといって安心していると、こういった空き巣に入られたりするので、防犯の意識は常に持っておかないといけないとSさんは教えてくれました。

   ◇   ◇

こういった問題は起きやすいことなのでしょうか?

アルファホーム名古屋株式会社でマンションコーディネーターとして、不動産仲介もされている川本麻登さんにお話を伺いしました。

■最上階の部屋だからといって安心できない

ーー最上階の部屋だからといって安心できないのですね。

最上階のマンションは比較的、空き巣に狙われにくいようですが、全く入って来ない訳ではありません。私の知り合いでは最上階のバルコニーに上の屋上部分から、ロープを伝って入ってきたと聞いたこともあります。一般的に大丈夫だろうと思われている物件こそ、空き巣はその考えをついて狙ってくるのかもしれませんね。

ーー物件探しの段階から気をつけるポイントはどこでしょうか?

空き巣に絶対入られないマンションを探すことは難しいですが、注意するポイントとしては、セキュリティがしっかりしているマンションや、普段人通りが多いとこにあるマンションなどを選ぶと良いかもしれませんね。

後は、日が暮れても洗濯物を干しっぱなしにしたり、電気をつけなかったりすると狙われやすいそうです。日々の防犯の意識も持っておくことが大事ですね。

◆川本麻登(かわもと・あさと)アルファホーム名古屋株式会社 マンションコーディネーター

(まいどなニュース特約・ヨシダ コウキ)

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