ペットショップで売れ残りの猫を家族に 弟猫をと、保護猫をトライアル→相性バッチリの兄弟に

■売れ残りの大きな猫

承太郎くん(6歳・オス)はアメリカンショートヘア。ショッピングモールのペットショップで販売されていた。京都府に住む西村さんは、2015年8月末、承太郎くんを2週間続けて見かけた。

「1匹だけ大きなケージに入れられて、もうすぐ生後6カ月。どうしても気になって。触れ合ったが最後。手放せずにいたら、主人が我が家に迎えよう!と勇断してくれて、我が子になりました。捨て猫や新聞広告の譲り猫以外初めてペットショップから迎えました」

家に連れて来ると、承太郎くんはトイレ横とゲージの隙間に籠城した。西村さんはヒヤヒヤしたが、すぐに馴染んでくれたという。

■弟猫がいたら・・・

西村さんは、物心ついた時から飼い猫のいる環境で育ったので、根っからの愛猫家。歴代3匹と暮らしてきた。

「近所の実家には、哺乳瓶でミルクを与えて育てた15歳になる愛猫がいました。承太郎と出会うまでは猫を飼おうとは思ってもみませんでした。承太郎に出会った時、売れ残りの猫の運命が気になったことも事実ですが、私は一目惚れしました」

西村さんは多頭飼いをしたことがなかったが、「承太郎に兄弟がいたらもっと楽しい?猫愛が溢れてしまってもう1匹なら大丈夫?」と思うようになった。その時、猫ブログを色々と見ていたので、次に飼うなら保護猫にすると決めていた。

「兄猫承太郎ファーストな我が家。保護猫なら相性をトライアルで確認できるのも決め手でした」

■お兄ちゃんに負けないぞ!

西村さんは、猫ブログを見て「淡路ワンニャンクラブ」の保護猫活動を知り、当時推定2ヶ月の露伴くん(1歳・オス)を見つけた。露伴くんは淡路ワンニャンクラブのボランティアさん宅近くの駐車場で、地域猫と一緒に行動しているところを保護された。人馴れしていたので、捨て猫だろうと説明された。

「またまた一目惚れです。今まで茶トラ柄の猫を飼ったことがなくて、可愛いと思ったのを覚えています。お見合いに淡路島まで家族全員で出かけ、久々に子猫に会いました。小さくて可愛い、物怖じしない遊び盛りという印象でした」

露伴くんは、トライアル直前にお腹に虫がいたのが判り、駆除待ちで首を長くしてのトライアルだった。2021年8月末、露伴くんは家に来ると、「承太郎兄ちゃんに負けないぞ!」と小さな身体でシャーシャー!威嚇する姿が可愛かったという。

「承太郎は全く怒らずちょっかいを出す余裕もあり、ケージから離れない姿が、また可愛かったです」

■優しい兄と末っ子気質の弟

いざ多頭飼いを始めると、「過激な運動会」が始まった。

「小さい身体で、露伴が向かって行くのでヒヤヒヤしたのを覚えています。ただ、2匹の相性が良いのはすぐに分かりました。淡路ワンニャンクラブのボランティアの方が相談に乗って下さり、心配は無用、そっと猫社会を見守ることで解決できました」

承太郎くんはマイペースで、来客の方もウェルカム。フレンドリーで食いしん坊な子だ。ダイエットを言い渡されたこともあるが、露伴くんが家族になってから運動不足も解消して、かかりつけ医もビックリする理想体重になった。

「ただ、やはり兄猫として我慢していることもあるようで、露伴がいない時に、私にフミフミして大爆音でゴロゴロ喉を鳴らして甘えてくれます。その姿がめちゃくちゃ可愛過ぎです。朝晩肌寒くなってきた就寝時も一緒に添い寝をしてくれるセラピー猫。私が癒してもらっています」

露伴くんは、末っ子気質で甘え上手。なんでも承太郎くんの真似をする。

「ただ、兄猫が大好きみたいで、グルーミングし過ぎて承太郎に怒られて喧嘩勃発気味です。なぜか私までグルーミングしてくれて、私は大きな猫だと思われているかも(笑)。家族以外、知らない方には隠れてしまうか、家政婦は見た状態で、実はビビりかもしれません」

外出から帰宅した時やお風呂上がりの時など、いろいろな場面で2匹一緒に出迎えてくれる。

「我が子は手が離れて行く一方ですが、愛猫はずっと一緒。可愛いしかありません」

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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