「独身女が猫を飼ったら終わり」という言葉が呪縛だった 結婚することの意味を自問自答した結果、“憧れのシャム猫ライフ”をスタート

「犬や猫を迎えると婚期が遅れる」という言葉が心に刺さり、動物と暮らしたい気持ちにブレーキをかけている人は意外に多いはず。junko.fさんも、そのひとりで「独身女が猫を飼ったら、もう終わり」という友人の言葉に囚われ、猫との生活を我慢。

だが、人生の送り方を改めて考えた時、限りある時間を猫と過ごしたいと思うようになり、2匹のシャム猫迎えた。

■結婚することの意味を自問自答した結果“念願のシャム猫”をお迎え

幼少期に近所のブリーダーから譲ってもらったシャムと暮らしていたjunko.fさんは、シャム好きに。

大人になり、「またシャムと暮らしたい」と思っていたが、結婚願望が強かったため、友人の「独身女が猫を飼ったら、もう終わり」という言葉が頭から離れず、ペット可物件が少ないからという理由を盾にして、猫を迎えたい気持ちにブレーキをかけていた。

だが、50歳を過ぎた友人がマンションを購入したことを知り、50歳で独身女性でも分譲マンションを購入できるのだと思い、心境に変化が。ペット可物件の賃貸は家賃が高いが、新築でなければ分譲でもペット可賃貸と同じくらい、もしくは賃貸よりも安くなるのではないかと思い、自分が本当に掴みたい未来を考えるようになった。

「日常のことは自分でもできるし、出産が難しい年齢になっているのに、まだ結婚を希望するのかと自問自答しました。その結果、今まで独りで自由に暮らしてきた自分には他人と暮らす必要性が見出せないと思ったので、それだったら猫と暮らそうと決めたんです」

猫との生活に前向きになってみると、以前から住みたいと思っていたマンションが売りに出ており、新生活への準備はトントン拍子に進んでいった。

junko.fさんはマンションの引き渡し前から時々、里親サイトをチェック。以前、飼えないと分かりながらも何度かシャム猫を検索した時にはなかなか見つからなかったのに、なぜか、マンションの購入手続きが進んでいた頃はシャム猫の里親募集が多く、運命的なものを感じたという。

「でも、コンタクトを取ってもお断りされ、なかなかご縁がありませんでした。こんなにもご縁がないなら、シャム以外でもいい。保健所で殺処分予定の子を救えないかと思い、掲載期限が短い里親募集を見てみたところ、1匹のシャムにたどり着いたんです」

それが、鯵くんだった。

気になったものの、引き取り期限はマンションへの引っ越し前だったため、お迎えは半ば諦ていたそう。だが、ダメもとで猫好きの同僚に事情を説明すると、引越しが済むまで預かると言ってくれ、鯵くんを迎えることができた。

他県にいた鯵くんは飛行機で空輸され、junko.fさんのもとへ。対面直後は里親募集サイトの引き取り仲介人に言われた通り、動物病院で白血病や猫エイズの検査、爪切り、ノミ駆除薬の投与を行ってもらった。

同僚に預ける準備をする中では、まさかの事実も発覚。なんと、鯵くんの体にはマダニがいたのだ。ちょうどその頃、世間では飼い猫のマダニによるSFTS(重症熱性血小板減少症候群)で亡くなった人のニュースが報道されていたため、junko.fさんはマダニが破裂したり、家の中で移動したりしていなかったことがラッキーだったと感じたそう。

「鯵をお迎えできた経緯もそうですが、ラッキーなことが続いていると感じました」

その後、鯵くんは同僚宅へ。引っ越しが完了した3ヶ月後に再会すると、すっかり忘れられており、距離をとられた。しかし、慣れてからはベッタリのストーカー猫に豹変したという。

そんな鯵くんには脚を踏み外したり、キャットタワーから落ちたりと、元野良だとは思えないほど鈍くさい一面もあるよう。

「扉は自力で開けられず、人が開けてくれるまでひたすら待つ。そんなところも、たまらなくかわいいです」

■お兄ちゃん大好きっ子になった新入り猫の鮭くん

鯵くんと暮らす中で、junko.fさんはもう1匹、猫を迎えたいと思った。仕事で帰りが遅く、鯵くんと一緒にいられる時間が少なかったからだ。

同居猫がいれば、寂しい思いをせず、運動量も増える。そう思い、お迎えを検討していた時、とあるシャム猫飼いさんのTwitterに辿り着き、子猫が生まれたことを知る。

成猫より子猫のほうが受け入れやすいのではないかと考えたjunko.fさんは試しに子猫の鳴き声をタブレットで流し、鯵くんに聞かせた。すると、鯵くんは心配そうにタブレットを気にしたため、その優しさにほっこりすると同時に、子猫なら受け入れられると感じたそう。

そこで、そのシャム飼いさんにコンタクトを取り、生後3ヶ月頃、子猫を譲ってもらった。名前は、鮭(シャケ)と命名。

お迎え当初はキャリーにこもったり、ご飯や水を口にしなかったりと警戒。ケージの中で過ごしてもらうも、寂しかったのか鳴き喚いていたそう。

そこで、お迎えから3日目、ケージ越しにお互いを認識していた2匹を初対面させることに。すると、鮭くんは猫仲間がいることが嬉しかったのか、すぐさま鯵くんのもとへ。初め、鯵くんは警戒していたものの、翌日の夕方からは徐々に受け入れてくれ、2匹は仲良し兄弟になった。

「鮭は天真爛漫で、我が道を行くタイプ。我が強いところがかわいい。昔ほど、鯵を追いかけなくなりましたが、鯵がどこかに閉じ込められた時には『ココだよ』と教えてくれます。一方、鯵は鮭が怯えていると、『安心して出ておいで』と迎えに行く。いい兄弟です」

旅行には行きづらくなり、掃除をマメにしなくてはならなくなったけれど、猫との暮らしは最高。そう思っているjunko.fさんは、かつての自分と同じく、誰かの言葉に囚われて猫を迎えることを迷っている人に、人生を一番楽しめる決断を下してほしいと語る。

「猫と一緒に楽しい人生であれば、私はそれでいいと思えた。猫を飼っている自分を認めてくれる人はいますし、誰かの言葉は、その人の価値観。自分は自分です」

なお、2匹は一時期、夫を亡くして一人暮らしとなり、環境の変化に戸惑っていたお母さんのもとへ“見守り隊”として赴いたこともあったそう。お母さんは猫の世話をすることで心の平穏を保つことができ、昨年の夏頃、同居を決心してくれ、junko.fさんと暮らすようになった。

お母さんの悲しみを優しく受け止めてくれた2匹との穏やかな猫ライフは、これからも続いていく。

(愛玩動物飼養管理士・古川 諭香)

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