触るとすぐ骨にあたるほど痩せていた子猫を保護 「血縁関係があるかも…」新しい飼い主は先住猫との縁を感じた

■草むらから子猫の鳴き声が

なつめちゃん(生後4ヶ月・メス)は、2022年7月18日に保護された。猫の保護団体「にゃぶ」のボランティアのAさんが息子さんと川べりで犬の散歩をしていたら、子猫の鳴き声が聞こえてきた。川の横の雑草は背丈くらいの高さになっていたので、声はすぐそこから聞こえてくるのに子猫の姿は見当たらない。

Aさんは家族に犬を迎えに来てもらい、息子さんと協力して子猫を探し、30分後に保護した。茂みの中にいたのにノミがついておらず、捨てられたかもしれないし、家族とはぐれた可能性もあった。触ると簡単に骨に触れられるくらい痩せていたという。

■先住猫ににた子猫

神奈川県に住む島林さんは2021年11月に「にゃぶ」から兄妹猫を譲渡してもらった。数年後にもう1匹迎えたいと考えていて、「にゃぶ」のインスタグラムやオンライン譲渡会の様子を見るのを楽しみにしていた。

「最初、インスタグラムでなつめを見た時は、『可愛い子だな』と思っただけでした。でも、ふと先住猫もみじの幼い時の顔に似ていることに気付き、『絶対この子をお迎えしたい』と思ったのです」

島林さんは夫に相談して、なつめちゃんの里親になりたいと希望を伝えた。

「なつめは先住のとらやもみじが保護された場所の近くにいて、顔が似ていたので、もしかしたら血縁関係があるかもしれないと保護主さんも話していて、ご縁を感じました」

■猫砂の匂いを嗅いだら仲良くなった

同年8月16日、島林さんはなつめちゃんを迎えた。最初は隅っこで小さくなって警戒していたが、数時間したら触らせてくれたり、猫じゃらしで遊ぶようになった。

島林さんは2匹の先住猫となつめちゃんの相性が心配だったので、色々調べて2日間くらいはケージ越しに対面させた。お互い興味はあるようだったが、顔が近づくと先住猫もなつめちゃんも激しく威嚇した。

2日目の午後、島林さんが目を離したすきに、とらちゃんがなつめちゃんのケージに入ってトイレの匂いを嗅ぎ、なつめちゃんをじーっと見つめて何かを認識したようだった。それ以来、一緒に遊ぶようになり、とらくんとなつめちゃんはどんどん距離が縮まっていったという。

「猫は匂いでお互いを確認するものなのだと思い、もみじとなつめにも互いの猫砂を嗅がせました。なつめが来て5日後にはもみじも威嚇しなくなり、仲良くなりました。今では3匹揃って行動することが多く、ニャルソックをしたり朝、起こしにきたりしてくれます」

3匹がもし保護されていなかったら出会えなかった。島林さんは彼らが家で無防備に眠っている姿を見ると、どんな過酷な思いをしてきたのか、想像するだけで涙が出てくる時があるという。

「保護活動をしている人たちの行動が報われて、悲しい思いをする犬や猫が減ってくれることを願っています」

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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