保護した子猫は骨折が原因で食べられず…手術成功!毎日もりもり食べてすくすく成長、お腹が減るとスリスリ

■可愛い子猫に一目惚れしたけれど

おとめちゃん(5歳・メス)は、熊本市愛護センターに収容されていて、保護団体が里親を募集していた。団体のブログには、「食欲に波があり、なかなか大きくならないので心配だ」と書かれていた。猫風邪の影響で、左目の瞬膜が癒着していた。

大阪府に住む智さんは、自分で2匹の猫を保護して飼っていたのだが、保護猫の里親になろうと思いネットの情報を見ていた。熊本県の大震災が起きた頃だった。おとめちゃんの里親を募集していた保護団体のブログを見ておとめちゃんを見つけた時、一目惚れした。しかし、「この子は健康だからきっといいご縁がある」と思って見送り、ひまわりちゃんという猫と銀ちゃんという後ろ脚にハンディのある子猫を引き取ったという。

■病気で里親が決まらず

やがておとめちゃんはセンターから引き出してもらい、預かりボランティアのところに行った。そのまま里親が決まるかと思われたが、初期医療にかけると骨盤骨折して骨盤腔が狭くなっていて便が出にくいことが分かった。そのまま様子を見ることになったので手術はしなかったが、里親は決まらなかった。

保護団体の代表は、智さんがおとめちゃんに興味を持っていたことを知っていたので、「里親にならないか」と連絡をくれたが、当時、智さんは銀ちゃんの腹壁ヘルニアの治療にかかりきりだったので断ったという。

智さんは銀ちゃんの手術が無事終わって落ち着いた時に、団体に連絡し、2016年12月31日、おとめちゃんを迎えた。

■うちの子になってくれて有難う

おとめちゃんと銀ちゃんは月齢も同じくらいだったのですぐに仲良くなり、一緒に遊ぶ仲間がいて楽しそうだった。

しかし、おとめちゃんは成長とともに便が出にくくなった。食べたいのに食べられない。便を出そうとトイレに籠ったが、気張っても出てこなくて吐く日が続いた。通院したが回復せず、大きな病院でCT撮影をすることになった。骨盤腔は1cmくらいしか隙間がなかった。

「手術で骨盤腔を広げて固定したらなんとかなりそうだと診断されました。骨を触る手術は痛いと聞いたので、とても心配しました」

手術は無事に終わり、今は順調に排便できているという。

おとめちゃんはたくさん食べられるようになり、小さかった身体も大きくなった。

「その変化を見ているだけで本当に嬉しくて、手術に踏み切って良かったと思いました。毎日ごはんをしっかり食べて、しっかり出すことって大切なんだなと教えられました。経済的には大変でしたが、うちの子になってくれて良かったと思っています」

智さんは、おとめちゃんの下ぶくれの顔が大好きだ。片目の瞬膜が癒着しているため、その目は小さくて涙が多いが、それがこの上なく可愛いのだという。

「お腹が減るとメーメー言いながらスリスリするんです。そのまま肩に飛び乗って甘えてくれることもあります。ごはんを食べたらもういないけど・・・そんなおとめを愛おしく思っています」

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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