ミートボールやハンバーグでおなじみ、石井食品株式会社の育児休暇への取り組みがSNS上で大きな注目を集めている。

きっかけになったのは石井食品Twitterアカウント（@ishii_official）の

「同僚がパパになり2週間ほど育児休暇をとるのですが、

社長から『もっと育休とりなよ』と言われていました。

やばい。この会社推せる。」

という投稿。

女性の育児休暇はようやく浸透の兆しを見せているが、男性の育児休暇となるとほとんど認められていないのが現状。そんな中、石井食品は男性の育児参加を推進するという方針のもと代表の石井智康さん自身も積極的に育児に取り組む姿をSNSやメディアに披露し話題を振りまいている。

そんな石井食品ならではのエピソードに、SNSユーザー達からは

「素晴らしい会社ですね

うちの会社は育休を取りたいと言っても取らせてくれず、休みたいなら有給使えと言われました。このペースで行ったら、有給足りなくなりますわw」

「素敵な職場

介護業界もこういう職場が増えればなぁ～」

「夫の上司ももっと休めば良いよと言って、つわりの時期に１ヶ月、出産前後に１ヶ月半休ませてくれた。

すごく助かった。」

「毎月のお弁当の日、必ずミートボールさんにお世話になってます。

素晴らしい社長と会社ですね

会社推し続けます！」

など数々の絶賛の声が寄せられている。

今回の投稿について石井食品の各位にお話を聞いた。

ーー石井さんから「もっと育休とりなよ」という言葉を聞かれた際のご感想をあらためてお聞かせください。

実際に育休をとった30代男性社員：育休については、子供を迎えた新生活を始めていくための準備期間として、また繁忙期にさしかかる業務のことも考えて、「必要最小限で取ろう」と決めていました。その上で社長から「もっと育休とりなよ」という言葉をいただいて、率直に安心したり気遣いが嬉しかったのと同時に、そもそも「必要最小限で取ろう」としたことが良かったのかどうか、考えるきっかけになりました。

実際に育児を始めてみて思いますが、産後に慣れない育児と増えた家事をしながら、新しい生活に順応していくことは、心身ともに負荷のかかることだと思います。特に子供がいなかった時に比べると時間的な余裕がほとんどなくなり、それは突き詰めると、気持ちの余裕の無さにもつながっていくように感じました。

育休中は比較的時間があったことで、子供の成長のひとつひとつに向き合うことができました。育休は余裕の無さを解消し、心身ともに健康な状態で子育てを始めるうえで、必要だと私は思います。

もちろん育休中は収入が少なくなるため、一概に育休取得が良いとも言い切れません。ですがお金は後で稼ぐことができても、子供の成長に向き合う時間はかけがえのないものです。そういった意味では"必要最小限"ではなく"十分すぎる"くらい育休を取ることも、一つの選択肢にしてよいのではと改めて思いました。

ーー石井食品では育休や休暇についてどのようにお考えでしょうか？

代表取締役社長 石井智康：自分の経験から2週間では育休は足りないと感じます。弊社では全社員に2週間の長期休暇を推奨していて、2週間だとそれと変わりません。肝心な時期の育児のため休暇をとるのであれば最低1ヶ月、3ヶ月くらいある方が良いのではないでしょうか。

長期休暇や育休は、当人がいなくなっても、チームがうまくいくための工夫をしていく仕掛けでもあり、当人及びチームメンバーの連携が必要です。男性育休だけでなく、介護休暇や、病気による入院等、休まなければいけない時の備えは常に必要だと考えます。

ーーこれまでのSNSの反響へのご感想をお聞かせください。

広報担当者：代表の石井智康の育休取得の際の反響に続き、今回のSNSが話題になるというのは大変ありがたく、多くの方の、男性育休に対する関心の高さを改めて感じました。いつか育休が話題にならない世の中になるといいなと思います。育休がもっと一般的なものになる日を願い、働いているいろんな方が自分らしい選択ができるよう、石井食品として活動していきたいと思います。

◇　◇

「子供は国の宝」と言う。しかし出産、育児の負担が大きければ子供を持とうという人が少なくなるのは当然だ。今回のような取り組みがクローズアップされることで日本社会に育児休暇の重要性が少しでも認識されることを願いたい。

なお今回の話題を提供してくれた石井食品では現在、正月に向けてウェブ上でおせち料理や福袋を販売している。正月だからこそお手軽に、美味しく安全な食事がしたという方は多いと思う。ご興味のある方はぜひ石井食品のウェブショップをチェックしていただきたい。

（まいどなニュース特約・中将 タカノリ）