「拡散された。死にたい」旭川で凍死の女子中学生、電話でSOSを出していた 子ども相談室代表が小川氏に証言

 今年3月23日、北海道旭川市内に住む当時14歳の中学2年生だった廣瀬爽彩(さあや)さんが同市内の公園で凍死した姿で発見され、2年以上前からせい惨なイジメにあっていたことが報じられた。元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は4日、当サイトに対し、爽彩さんが地元のボランティアの女性に自ら電話をして悩みを打ち明けていたことを現地での取材を通して明かした。

 小川氏は自身のYouTubeチャンネル「小川泰平の事件考察室」で事件の詳細をリポートする中で、爽彩さんからの電話を受けた子ども相談室「きらきら星」代表の村岡篤子さんにもインタビューした。

 村岡さんは30年以上前から地元の教師らと共に子どもを取り巻く問題に接してきた。2007年から旭川市議を1期務め、06年から市民団体「子どもの権利条約旭川市民会議」の代表に。「きらきら星」は公的機関では救えない子どもたちの悩みに救いの手を差し伸べようと16年に設立し、これまで830件以上の相談を受けてきた。村岡さんは「子どものイジメは親同士が話し合って収まることが多い。むしろ一番多い相談は『学校の担任からの不適切な対応』です」と説明する。

 爽彩さんは相談室に電話をかけて「小学生の時からいじめられています。いま中学2年です」と打ち明けた。村岡さんが名前を尋ねると、「下の名前でもいいですか?」と確認し、「さあやです」と名乗った。村岡さんが「どんなイジメだったの?」と尋ねたところ、本人は「嫌なこと」と言うと泣き出したという。村岡さんが過去の例から「もしかして、性的なこと?」と確認すると、爽彩さんは「撮影された。それを拡散された」と訴えた。

 この「拡散」という言葉に対し、村岡さんは「今にして思うと、彼女が撮影された画像や動画を『拡散された』と言ったことの意味が分かっていなかった。私は『拡散』という言葉を『口コミで広がる』といった意味に取っていたので、クラスの何人かに知られる程度だと思っていましたが、そうではなく、スマホを使って不特定多数の人にネットで広げることなのだということを後から知って、それは大変なことだと思った」と悔やむ。

 村岡さんは爽彩さんに「どういう解決をしたいですか?」と問うと、「死にたい。リスカ(リストカット)した」との答えが返ってきた。村岡さんは「リスカ、痛いよね」と受け止め、「お母さんとも面談しましょうか」と聞くと、「考えときます」と言葉を濁した。そこで、村岡さんが「まず、お母さんに話して、学校の先生にも伝えてもらって、その後で何かあったらまた電話ちょうだいね」と声をかけると、爽彩さんは「もう1回、電話してもいいんですか?」と驚き、村岡さんが「何回でもいいよ。いつでも電話ちょうだいね」と呼びかけると、「わかりました」と言って電話は切れた。だが、それっきり電話はかかってこなかったという。

 村岡さんは「彼女の印象について、しっかりした子だなと思いました。小中学生は、電話で人と話をすることで気持ちが晴れることもあり、電話がなかったのもそうなのかなと思っていましたが、その後、爽彩ちゃんの先輩の男の子から電話あって、彼女が薄着のまま家を出て行方不明になっていると聞かされました」と振り返る。

 小川氏の取材に対し、村岡さんは「命の重さとどう向き合うか、学校側は真摯に考えていたのか。子どもを取り巻く大人の目が、きちんと向けられていたか。彼女が命を落とすまで、イジメがあったことは知らなかった…というのは詭弁(きべん)です。一人の子供が命を絶つまでに周りの大人は何も気づかなかったのか。私も含めて大人の責任です」と問うた。

 小川氏は「村岡さんは無償で子ども達に接している方で、頭が下がります。どうして、大人が止められなかったのか、自問自答されていました」と取材を振り返る。その上で、小川氏は「今回、村岡さんに電話をしてきたのも、数年前に名刺大の『きらきら星の電話番号が入ったカード』を旭川市内の小学生に配布したもので、彼女は小学生の時にそのカードを受け取り、大切に持っていたとのこと。その当時からいじめを受けていた可能性も考えられる」と経緯を説明。さらに、同氏は「この名刺大のカード、チラシ等作成のために市に補助金を打診したが断られ、全て自費で用意した。費用の面もあり、電話は録音されていない」と行政の対応も含めて現状を付け加えた。

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