イジメが起こりやすい学校・平和な学校の条件ってあるの? 高校生・大学生に小学校時代を振り返ってもらった

「あの小学校ってイジメが多いんだってね」「隣の小学校はイジメの話よく聞くよね」といった噂話は、よく母親たちの間で話題にのぼります。もしかしてイジメが起きる学校に、なにか共通点のようなものはあるのでしょうか? そして、実際に学校に通っていた子どもたちはどのように感じていたでしょうか。

「イジメが起きやすい学校、逆に平和な学校の条件みたいのってあるかな?」…そんな質問を、高校生や大学生、社会人1~2年生の子たちにしてみました。実際に数年前に小学校に在籍していた子どもたちの声には、親の見方とは違った答えもありました。

■イジメがあった体験談から

▽イジメが起こりやすい“クラス”があった

シカトするというような「仲間はずれ」を複数でやる、ということならイジメはあった。ただクラス替えしたら、雰囲気も変わり、イジメがなくなったという経験があります。

今思うと、学校単位ではなく「クラス単位」=「担任の先生の力」だと思う。なんていうか、小学校高学年にもなると、先生をバカにしたり、言うことを聞かなくなったりする。バシッとコントロールできている先生のクラスはそれほどヒドイいじめはない。子どもってよく見てるから、先生が怒らないとわかるとナメてかかるし、「親の目が怖いんだよね、うちの担任ってさ」「イジメあるの、なんとなくわかってるけど知らないフリしてんじゃん」みたいなことも言い合ってる。それで、どんどんクラス全体がすさんできて、そうなればイジメもエスカレートするって感じだと思います。(Nさん/21歳)

▽大人は気づかないイジメはある

女子で小5の頃にイジメがありました。その子はよく当時流行していたブランド品とか持っていて、別荘があるなんて話を自慢げにしていたのがきっかけで、数人が「あいつ、イヤな感じ」みたいになって、そこから女子全員が無視し始めました。あとはリーダーみたいな女子がその子に向かって、かなり暴言を吐いていたのは覚えているけれど、私も当時は「傍観者」だったので、思い出すと後味が悪い感じがします。

先生にバレないようにやっていたし、特に小学校高学年でクラスの女子が一丸となってイジメをする時は、正直、周囲の大人は気づきづらいと思います。イジメをする側がかなり賢い(という言い方はヘンですが)と、先生も見抜けないし、学校がいじめに積極的に取り組んでいたとしても、わからない子どもだけの世界というのはあると思います。だからイジメを受けた本人が声をあげないと、イジメは止まりません。(Hさん/16歳)

▽怖い先生がいるとイジメがおさまることはあった

小学校じゃなくて中学だけど、女子数人が標的の子をトイレに連れ込んで写メして、それを知り合いにばらまいた、という大事件が起きたことがある。男子なら蹴っ飛ばすとか、机倒したり、モノ隠したりといった感じだったけど、女子のが「こえーな」と思ったのを覚えてる。学校ではイジメ対策とか言って、その為の授業があったり、教頭先生とか見回りしていたみたいだけど、正直あまり効果があったとは思わない。それよりクラスの担任が怖かったり、生活指導の先生がいて、その先生が出てくると「やべ~」って感じでちょっとイジメがおさまる部分はあったかもしれない。(Yさん/22歳)

■ニュースと違い平和な学校で過ごした子どもたちも

▽先生の目が行き届く小さな学校は平和でした

ニュースとか見ると、平和な学校だったなぁと思う。小学校時代はイジメなんてほとんどなかった。まぁ田舎の学校で人数も少なかったし、先生の目も行き届いていたのかなとは思う。(Tさん/17歳)

▽「忙しすぎてイジメするヒマがなかった!?」

公立小学校だけど受験組が多くて、高学年になるとみんな忙しくて他人に興味なかった感じはあります。ただ、いっぽうでストレスもあって、些細なことでイヤな感じのケンカ(にらみつけたり、バカを相手にするとバカがうつる!とか言っていた)は頻繁にありました。でも誰かに関わると面倒、というような空気感のほうが強かったと思います。ひどいイジメはなかったと思うけど、いいクラスだったなという思い出ではないですね。

小学校3~4年の時、担任の先生ちょっと変わってて授業中にギターとか弾いててw。 でもたまに怒るとすごく怖かった。勉強中もすぐ違う話題とか先生が話して盛り上がっていて、あの先生は良かったなぁとよく思い出すし、あのクラスではイジメはなかったなと断言できます。(Mさん/22歳)

▽イジメになる前に親にバレて怒られてた

たまたまかもしれないけど、私の小学校6年間で、今ネットで見るようなイジメはなかったと思います。シカトしたり、交換日記で悪口書かれたりとかあったけど、一定の時間で沈静化する感じ。交換日記とかも親にバレてたし、中見せろとか言われてイヤだったけど、それで悪口書いててスゴイ怒られた。ふてくされてたけど、実はウチの親、本気で怒ると怖い!とビビって、それ以降は「ヤバいかな」とちょっとなんか、自分を抑える部分ができたと思う。

母親同士も連絡取り合ってて、ウチの親も交換日記やってた他の親に「うちの子が悪口とか書いていたから怒ったよ」と話してて、アレもすごく当時はムカついたけど、まぁそれで「やめとこっか」みたいになった。

今になって思うと、お節介な親がいっぱいいたから、こういうことがあっても「あんたが言いつけた」っていうより(そういう事はよくあったから)「あんたのせいでバレちゃったじゃーん」みたいな感じで、それが原因で仲悪くなったりしなかったし。みんな似たような感じだったかなと思う。だから、ちょっとした意地悪はいっぱいあっても、それ以上のイジメにならなかったのかなと思う。

今の小学生はスマホとか持ってるし、親が見えないところのイジメがスゴそう。親が気づけない状況になってて、ヒドイいじめになって初めて気づくから大変なんだろうと思う。本当の意味でイジメになる前に、本気で怒られたり、イジメられた子も相談できる状況なら、ニュースで見るような悲しいほどヒドイ状態にはならないような気がする(Sさん/21歳)

■「子ども時代の経験者」の声からわかること

実際に数年前に小学校に在籍していた子どもたちの声から、以下のようなことが分かりました。

・学校単位でイジメが起きやすい/そうでないという区別はない

・クラスの雰囲気が大きい

・担任の先生がクラスをコントロールできるかどうかが影響する

・だんだんとイジメが巧妙な手口になっていて周囲も気づきづらい

そういえば、よく私たち親も「このクラスは荒れている」とか「あの学年はヤバい感じだよね」と話したりしていませんか? 確かに、ひとり、ふたりとキレやすいとか、すぐ乱暴をするといった目立つ子がいて、その子に引っ張られるようにクラス全体がイジメをする方向に行くことは実際にあります。

ただ、この場合もイジメが深刻化する前に先生が気づき、いじめた本人や保護者に対応している場合には、多くの場合、そこで留まります。それでも例外もあって、呼び出したもののいじめた側の保護者が無関心で学校にも来ないとか、先生も他に様々にやることがあり、そこまでフォローしきれない場合もあるでしょう。

いずれにしても、イジメは学校の中の「クラス」という一番小さな社会集団で起こるものゆえに、クラスの担任という先生が大きな役割を担っていると、子ども達の声からは感じますね。

■いろいろな方向から「イジメをなくすために」行動するのが大事

イジメの問題は学校で起きている以上、先生に対応を迫ることになるでしょう。子ども達の意見を見ても「本気で怒ると怖い先生」という存在自体が、いじめの温床を防ぐ効果はあるように思えます。

ところが保護者の中には「ウチの子を怒鳴りつけた」と理由も聞かないまま問題視するケースもあるわけで、先生はひと昔前よりもずっと「子どもを怒りづらくなっている」現実もあります。怒りたくても怒れない先生が増えていること、あるいは逆に怒り方を知らない先生がいること、こうしたこともイジメが増える原因のひとつなのかな、と感じました。

また親が本気で怒ったことで「自分を抑えた」という子もいたように、子どもが悪いことをした時にどれだけ真剣に親がわが子と向き合えるかも重要なんですね。

イジメが起きる環境として学校に問題があるのと同時に、イジメをする子どもがいる以上はその保護者、傍観者である子ども達の保護者、イジメの標的とされている子の親が声をあげること、様々な方向から「イジメをなくすために」対応していかなければ、これだけ複雑化しているイジメの問題は改善されないのではないか、と思った次第です。

イジメの問題を繰り返し取り上げてきていますが、本当に難しい問題だなと改めて思いました。

    ◇   ◇

【企画協力】株式会社マモル/いじめの早期発見・解決を目指す、いじめ報告相談プラットフォーム「マモレポ」を開発運営している

(まいどなニュース/BRAVA編集部)

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