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廃棄されるドーナツを目当てに暮らしていた子猫 1週間格闘のすえに保護、超ツンデレだけど可愛くて愛おしい

■ドーナツ屋の近くの路地にいた子猫

のんちゃん(1歳・メス)はバス通り沿いのドーナツ屋の近くにいた。まだ子猫だったが、母猫も兄弟も一緒ではなかった。

2020年の7月下旬、東京都に住む武田さんは、仕事帰りに最寄駅から家に向かう途中、ドーナツ屋の近くでのんちゃんを見かけた。まるで廃棄されるドーナツが出てくるのを待っているかのようだった。子猫は武田さんに気づくと、さっとビルとビルの間の路地に隠れてしまった。

武田さんは、この日から帰りに子猫がいた路地を確認して帰るようになった。
「バス通りで交通量も多く、駅前で人も多いので心配しました。大体20時過ぎに出没するようで、なんとか保護したいと思い、3日間続けて、その頃にウェットフードのごはんを置きましたが、すばしっこくてとても自力で捕まえられそうにありませんでした」

困った武田さんは、職場の先輩にボランティアを紹介してもらい、朝と夜、カリカリのごはんと水を路地に置いた。

■1度目の捕獲は失敗、2度目は…

8月3日、武田さんは、他にごはんをあげている人がいることに気付いた。3日後、その男性に会って話をした。男性は武田さんと同じように子猫を保護しようとしてネコケンという保護団体に捕獲器を借りていた。ただ、二人とも捕獲したことがなかったので、武田さんが紹介してもらったボランティアに依頼したという。

8月9日、捕獲作戦決行。捕獲器のえさに食いつくように、朝ごはんは与えずに、夜を待ち、ボランティアが持ってきてくれた捕獲器をしかけた。「捕獲器に入ってくれ」とみんなが祈ったが、バス通りで周りの音がうるさかったので捕獲器の閉まる音が聞こえなかった。気を揉んだ男性が様子を見に行くと、子猫は捕獲器に入るところだったが、人の気配に気づいて逃げてしまった。ボランティアが「一度失敗するとまた来てくれるか分からない」と言うので、翌日は様子を見ることになった。

11日、「前回みたいな失敗はできない。お腹を空かせる薬を使ってベテランボランティアと2人で捕獲に挑む」とボランティアが言った。武田さんは立ち会わなかったが、子猫は5分ほどで捕獲器に入ったという。

そのままボランティアが家に連れ帰り、2日後には動物病院で不妊手術をした。「野良の時はたくましく生きていたので男の子だと思っていたのですが、生後4カ月くらいの女の子でした」

■性格はTHE猫だけど、とても幸せな毎日

8月18日、武田さんが子猫の里親になった。武田さんはもともと動物が大好きで、実家でも保護猫を2匹飼っている。この2匹も小さい時に武田さんが保護した猫だった。

「ちょうど去年5月、実家を出て同棲することになり、いずれは猫を飼いたいと思っていたんです。譲渡サイトなどを見ていましたが、同棲カップルや若い夫婦はダメというところが多く、応募できませんでした。でも、ペットショップで買うより、外で大変な思いしている子を幸せにしてあげたいと思いました」

「同棲したばかりで別れるかもしれないし、のんちゃんを飼ってもいいのかすごく悩みました。保護する時に手伝ってくれた男性が『迎えてもいい』と言っていたのでお願いしようかとも思いましたが、保護する頃には、情がわいて愛おしくなっていました」

のんちゃんは捕獲器がとても怖かったようで、頭突きしまくったのか、おでこの毛が禿げていてカサブタになっていた。初日は一晩中ケージの中でガタガタ動いたり鳴いたりして、武田さんたちは眠れず、イヤホンで音楽を聴きながら寝ることになったが、翌日には落ち着いたようで、少し抱っこすることもできた。

性格はTHE猫。かまってほしい時は擦り寄ってくるが、かまってほしくない時は撫でようとするとすごく嫌そうな顔をして逃げていく。

武田さんは、のんちゃんを迎えて猫中心の生活になったという。「自分のことより先にのんちゃんのことをするようになりました。仕事も『のんちゃんのために頑張ろう!』と、嫌なことがあっても前向きに頑張れるようになりました」。今まで外にいるのが好きだったが、圧倒的に家にいる時間が増え、のんちゃんや後から迎えた猫たちと過ごせて毎日とても幸せなのだという。

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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