「ひよっこ」伊藤沙莉が実感した“朝ドラマジック” 顔バレもフルネームで

9歳でデビューした子役出身の伊藤沙莉(26)は、自らの潜伏期間を約10年と語る。地上に引き上げられた実感を得たのは、NHK連続テレビ小説「ひよっこ」(2018年)から。米屋の娘なのに米が嫌いで自らを”さおり”と名乗る米子を魅力的に演じた。それ以降、仕事面でも私生活面でも大きな変化があったという。伊藤が体感した”朝ドラマジック”とは。

なによりも驚いたこと。それは朝ドラ出演後に肩書きが“元子役”から“朝ドラ女優”に鞍替えされたこと。「ヒロインをやったわけでもないのに朝ドラに出演した途端、色々な場所で”朝ドラ女優”と言われました。もはや朝ドラに出たことがブランドみたいになっていて、街で声をかけられるにしても“テレビ出てますよね?”から“朝ドラの伊藤沙莉さんですよね?”とフルネームで呼ばれるようになった」と影響は如実に表れた。

苦節10年。知名度が上がることは嬉しい以外の何ものでもないが「ふと私は朝ドラ女優と呼ばれていい立ち位置なのかしら?と思うんです。だってヒロインを演じたわけではないですから。呼ぶなら“朝ドラ出たことある女優”にしてほしかった。“朝ドラ女優”という肩書はヒロインを演じた方だけにしてあげてほしい」と恐縮する。

オーディションの日々だったのがウソのように、周囲の反応同様に仕事の状況もコロッと変わった。今や女優・伊藤沙莉は出ずっぱりだ。作家・桜木紫乃による直木賞受賞作を映画化した『ホテルローヤル』(11月13日公開)を含め、今年9本もの公開作に出演している。人気芸人がコントに挑戦した特番バラエティにもゲスト登場し、コメディエンヌぶりも発揮した。

でも浮つかない。子役からの長いキャリアがものをいう。「手のひらを反す大人をこれまで沢山見てきたし、そんなものだろうと思っています。成功したら光が当たって、ダメだったら落ちるだけ。ある意味わかりやすい世界だからこそ、踏ん張って頑張ることができる」と早くも達観の領域。

「10年くらい視界に入れてもらえないことがほとんどでしたから。褒められようが嫌われようが、私に気付いてくれているということだけで大満足です」。苦節10年はまったく無駄ではなかった。

(まいどなニュース特約・石井 隼人)

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