「駅に行けば出来ると思った」…氾濫するポイントサービスについていけない高齢者たちによるトラブルが話題に

共通ポイントサービス、オリジナルポイントサービス、クレジットカード一体型サービス…。

現代社会に数え切れないほどのサービスが氾濫するポイントサービスやクレジットカード特典。

今、世間ではそれらを知識が無いまま無理に使おうとするお年寄りたちによるトラブルが起こっているようだ。現役の鉄道職員の方が運営する人気Twitterアカウント「現役駅員の本当の話」は10月29日にTwitter上で次のような投稿を公開している。

“現役駅員の本当の話”のツイート

「スマホやPCを持ってないご老人が、○○ポイントやクレジット会社の複雑なサービスを無理して使おうとする傾向があります。

皆さん『駅に行けば出来ると思った』と。

会社が『お得お得』と宣伝すればするほど現場は疲弊してます。 コンビニ等でも同じような光景を目にしますね。

お疲れさまです」

確かにこういったサービス、特典はスマートフォンやパソコンを扱えないとなかなか把握しづらい。しかし、それを無理にでも使おうとするのをお年寄りのわがままと切り捨てず、サービスを供給する側にも責任の一端があるのではないかと投げかける「現役駅員の本当の話」の投稿はSNS上で一定の支持を得ているようだ。

駅窓口ではこういったトラブルに対しどのような対処をおこなっているのだろうか?「現役駅員の本当の話」の運営者にお話をうかがった。

中将タカノリ:こういったお年寄りを接客された際の具体的なエピソードをお聞かせください。

現役駅員:鉄道会社がポイント制度を設けてTVコマーシャル等で宣伝していますが、ポイント会員になるためにはインターネットでの手続きが必要となります。ご高齢の方はテレビは見ますが、インターネット接続環境に無い方が多く「駅に行けばポイント会員の手続きができるもの」と思って駅にお越しになります。残念ながらネットで手続きしなければ加入できないことをお伝えすると落胆したり、怒ったりしてお帰りになります。

また教育面の課題もあります。会社側からはポイントサービスについては、お客様ご自身でHPでご覧いただくことを想定して、駅員にはサービスについての充分な教育はありません。しかし実際は、会員の加入方法やポイントのICカードへのチャージ方法など「駅に行けば分かる」と期待して、ご自宅で調べることなくお客様が駅にお越しになります。

そうした中「駅ではご案内しておりません。ご自宅に戻ってご自身で調べてください」と言うのは期待を裏切るようで心苦しいので、個人的に勉強したり同僚同士で情報交換するなどの努力をしてその場でご案内できるよう心がけています。

中将:職員の方向けにすらちゃんとした教育がおこなわれないのでは大変ですね。お客様とのやりとりに加え自主的な勉強…駅の職員の方たちのご負担は大きいと思います。

現役駅員:追い討ちをかけるように「マイナポイント」も始まり、駅への問い合わせは非常に多くなってきています。「コールセンターへ問い合わせの電話をしても混んでいて繋がらない」との苦情も頂くので、現場で答えられる質問はできる限り答えようと努力しています。

中将:現役駅員さまの立場からお年寄りの方、会社側に求めたいことがあればお聞かせください。

駅員:お年寄りの方には特段ありません。ただ私が今回問題提起した投稿が、現代社会において「情報弱者」に対してどのように企業が接するか、世の中全体で改めて考え直すきっかけになれば幸いです。

会社側に対しては「お客様が駅員に対する期待を過小評価しているのではないか?」、「『駅に行けば分かる』というお客様のご期待を裏切らないよう、従業員への教育を充実させるべきではないか?」と感じています。

◇ ◇

「現役駅員の本当の話」が問題提起したトラブルは駅だけでなくコンビニやスーパーマーケット、飲食店などでも日常的に起こっている。急速に繁雑化した現代社会で「情報弱者」に対する配慮が不足しているということは明らかな事実だろう。一朝一夕に解決できる問題ではなさそうだが、少しでも不便やストレスを感じる人が少なくなるよう、ポイントサービスやクレジットカード特典を供給する側のさらなる努力を期待したい。

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)

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