コロナ禍にめげず大阪“激戦区”に進出 飲食店受難の今…居酒屋で「秘密のケンミンSHOW」目指す

 コロナ禍で飲食店が相次いで閉店する中、大阪の“激戦区”福島にこじゃれた立ち飲み店「あたりや食堂」が16日、オープンする。コスパの良さが評判でなんば店、梅田阪急東通り店に続く3店舗目。産地直送の新鮮なネタをライブキッチンで仕上げるのを売りにしているが、ここ福島店では全国各地の郷土メニューをそろえていくという。

 「あたりや食堂」を運営するのは株式会社「クロスキンキ」(守口市)。大阪市内を中心に40年続く居酒屋「志な乃亭」やベーカリー「ル・クロワッサン」などを展開している。南卓治代表取締役によると、もともとはガソリンスタンドからスタートしたそうだが、いまでは学習塾やカラオケ店、中古車販売など幅広く手掛けているという。

 この「あたりや食堂」のターゲットはサラリーマンやOL層。2015年3月、難波の座裏に1号店をオープンすると、味とコスパの良さからたちまち評判の店となった。その後も人気にあぐらをかくことなく、梅田阪急東通りに2号店を展開。この度コロナ禍の状況にもめげず、ほぼ計画通りに3号店を出す運びとなった。

 もちろん、場所はこじゃれた店が多い福島界隈とあって、スタッフは一段と気合が入っている。廣田真利店長は「このあたりは本当にいいお店が多い。でも、わたしたちは月1回寄ってもらえるお店ではなく、週に2~3回、いや、4回ぐらい寄ってもらえるような気さくなお店を目指しています」と意気込み「会社帰りにちょい飲みして、お腹も満たしていただければ」と話す。

 現在はコロナ対策のため、厨房とカウンターはアクリル板で仕切られているものの、調理の様子をライブ感覚で楽しめる実演型キッチンが特徴。店の自慢は何より漁師さん直送の鮮魚と直径80センチもある大鍋で揚げた天ぷら(180円~、税抜き)だ。さらに炭火で豪快に炙った「アワビ踊り焼」(680円)や旬のエビと野菜の「げんこつかき揚げ」(280円)も名物となっている。

 店側によると特に島根県と太いパイプを持っており、隠岐産でいえば、新鮮な魚は当然ことながら藻塩米のおにぎり(150円)がオススメ。また奥出雲産の「雲太しいたけ炭火焼き」(480円)も肉厚で、歯ごたえがいいのでぜひ、この機会に注文していただきたい。

 飲み物のラインナップも上々だ。日本酒(350円~)は「十四代」「獺祭」「龍力」など安定感たっぷりの品ぞろえ。また、生の果実を店内で熟成させた「漬け込みハイボール」(ミックスベリー、パイナップル、オレンジ各380円)、隠岐・油井産のはっさくサワー、高知・宿毛産の直七サワー(各380円)も一度チャレンジしてみてはいかがだろう。

 しかし、福島店ではこれに満足することなく、新メニューにも挑戦していく構えだ。廣田店長が言う。

 「コロナ禍で流通が断たれ、農家の方や漁師さんも困っています。わたしたちは様々な仕入れルートを持っているので、それを生かして全国各地の郷土メニューをつくって行こうと思っています。そうすれば、お客さんにも喜んでいただける。ちょうど”秘密のケンミンSHOW”のように、それぞれの県の代表的なメニューを考えています」

 外観は京町家を思わせる落ち着いた装い。場所はJR環状線「福島駅」南側徒歩1分。

(まいどなニュース特約・山本 智行)

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