ワーママたちのパート勤務「天国と地獄」って? 子育て優先、消去法…ママたちが働き方を変えた理由

ワーママ「働くママ」は、フルタイム勤務だけではありません。自営業の人もいるでしょう、派遣で働く人もパートで勤務する人もいます。フルタイム勤務だったけれど、子どもを産んでから、働き方を変えた人も決して少なくありません。実は子育て中のお母さん、パート勤務が圧倒的に多いのです。パート勤務の「天国と地獄」みんなの体験談、そしてパートという働き方を選んだ理由を聞いてみました。

■そもそもパート勤務って?

パートとはパートタイマー、パートタイムの略のこと。厚生労働省のホームページによると、パートタイム労働法(「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律」)の対象である短時間労働者(パートタイム労働者)のことを指します。パートタイムは、事業所に同種の業務に従事する通常の労働者(正社員、正社員、フルタイムの基幹的な働き方をしている労働者)に比べ1週間の所定労働時間が所定労働時間に短い労働者とされています。

「パートタイマー」「アルバイト」「嘱託」「契約社員」「臨時社員」「準社員」など、呼び方は異なっても、この条件に当てはまる労働者であれば、「パートタイム労働者」としてパートタイム労働法の対象となります。

■子育てと仕事の両立が叶う「天国パート」はこれ!

▽人手が足りない職場なら希望が通りやすい

オープニングスタッフとして、駅2つ先のショッピングモール内、雑貨店のパートとして入りました。パートさんもみんな同じスタート地点なので、ボスキャラがいないのがラク。売上ノルマもなく、私は9時半から週4日、1日6時間。休みの申請も2週間ごとに行ってくれるので、行事等もほぼ参加できる。店長さん曰く「販売スタッフは常に足りないから、主婦の人が長く居続けてくれるよう気を配ってる」のだとか。販売やサービスはとにかく人手が足りない。探せば、こちらの希望をのんでくれる職場は多いと思います。ただし幼稚園ならいいけど、これくらいのパート勤務の場合、保育園入園はうちの地域だと規定ギリギリラインでたぶん、入れないと思います。(Aさん/32歳/子ども 4歳)

   ◇   ◇

▽自分が必要とされる職場こそ天国

サービス残業しつつ会社第一で頑張り続けてきたのに、育休とったら異動させられ、後輩のサポートに追われ、ついにフルタイム挫折…。でも少しでも家計の足しにと、近くの運送会社で事務のパート勤務(扶養は外れてます)になりました。

パソコンに詳しい人がいないので、とても重宝されちゃって。子どもの行事とか「小さいうちしか行けないんだから、休んで休んで!」熱を出しても「しょうがないよ、子どもの病気はね」って、社長の奥さん、肝っ玉系でやりやすい。私も忙しそうだと土曜日曜でも夫に子ども見てもらって、自ら出社することで良い印象を持ってもらえるように努力しています。

で、休日出勤すると、いかついオッチャンタイプの社長が「悪いなぁ~」って、それで奥さんから時々「子どもさんに何か買ってあげて、ウチで長くやってもらいたいしさ~、こういう形でしか感謝あらわせないから」って、茶封筒に5000円とか1万円とか寸志みたいにくれる。たまたま社長夫婦がいい人だからアタリってことなんだろうけど、大企業だけが「良い職場ではない」ことを実感しています。ビシッとスーツ着てる人だけが「いい仕事」してるわけじゃない。自分という人材を必要とされている職場なら、きっと大切にしてもらえるのでは? リアルに、等身大で「自分にとって良い職場」が天国だってことだと思います(Hさん/子ども 5歳)

   ◇   ◇

▽病院受付で扶養外の働き方に

アパレル系ショップの販売から、段ボール製造工業での事務職、クリーニング屋受付、コールセンターまで、色々なパートをはしごしましたが、今やっている小児科医院の受付が一番いいです。私は医療事務の経験もないのですが、大きな小児科なので専門の人がいて、受付→カルテ出す→子どもの症状をヒアリングして先生にメモを渡すといった作業のみ。インフルの予防接種とかも先にしてもらえるし、子どもが病気の時も休みやすいし。コールセンターで学んだせいか、電話対応が上手と言われて、時給も3カ月すぎからアップしてくれました。

最初のうちは近くの実家に子どもを預けていましたが、週4日・7時間勤務にしてからは扶養外、保育園も第一希望はダメでしたが、第二希望の認可に入園できました。扶養外になる時には、夫の税金や手当等も含めて、一度きちんと計算して、損にならないようにするのも大事です。

パートは本当、色々ありますよ、だから自分に合ったところ、通いやすいところ、働きやすいところを見つけるのが大事。地獄系・ブラックなパートだったら、速攻辞めること!地域にもよるでしょうが、主婦のパート勤務って、変なプライドさえ持たなければ、けっこう「選べる立場」です。(Mさん/33歳/子ども 2歳)

■パート勤務「地獄を感じてます」

▽ママ友のマウンティング感ある…

資格も何もなく、接客サービスも向いていない私は、近所だと小さな倉庫の梱包業務サポートのパートかコンビニしかない(両方やってる)。都心部で公立小学校なのですが、年収の高い人が多いせいか、専業主婦かキャリア志向のママが多く、私がコンビニにいると「えっ」と驚かれ、「あら~」って困惑した感じで笑いながら「ここで働いてたんだ~」って…その感じがすごくイヤ。自意識過剰、なんであれ立派な仕事と夫は言うけど、本音をいえば、やっぱりマウンティングされてる感ある…。(Mさん/39歳/子ども 8歳・10歳)

   ◇   ◇

▽オバチャンと呼ばれても、働くしかない!

正社員のパートに対する扱いがひどい。「ちょっと、おばちゃんお願い」って!名札つけてるでしょ!名前呼んでよ!と思う。でも自分が正社員の時は「ちょっとすいませーん」で名前でなんて呼ぶことなかったし、それで影でフツーに「あのパートのおばちゃんさ」って言ってたなあと思ったりもして。その立場にならないと、わからない、無意識にしていることってあるんですね…。オバチャンと呼ばれると、なんかものすごく「下にいる」感じがする。地獄とまでは思わないけど、正直、夫にもっと収入あれば、このパートはやらないと思う。でも、周囲もそういう人、多いですよ、子育てはお金がかかります、それが現実。黙々と働くだけ!(Iさん/40歳/子ども 6歳)

   ◇   ◇

▽気付いたら蟻地獄

幼稚園降園後、ママ友たちに「パートしたいな」とポロッと言うと、数人がすでに勤務している近所のそば屋さんを紹介されました。「友達がいるとラクだよ、子どもが熱だしたりしても、お互いにシフト代わってあげたりできるから」と言われ、なるほどと思い、そのまま蕎麦屋さんでパートに。

ところが、私はなんていうか生真面目な所があって、自分の体調が悪い時でもなかなか他の人に交替を頼めません。だけど他のママたちは「あ、木曜に美容院行きたいんだよね」「明後日、どうしても行きたいバーゲンあるんだけど、いい?」え、そんな理由で?っていうことでも平気で頼んでくる。

悪気はないし、みんなしてるし、だから私もそうすればいいのでしょうが、性格的にどうもできないんですよ。気付くと私ばかりが急な交替を頼まれて、そして辞めるに辞めづらくて。夫には「お前、損な性格だな、ハッキリ断るなり、辞めてしまうなりしろよ」って言われるけど、子どもも仲良しグループで遊んでるし、公園なんかでも盛り上がるし、やっぱり抜けられないんです。自分が悪いんだよなぁとか、ウジウジしていて、ついには夫にも「そういうお前を見ているとイライラする」とまで言われる始末。こういう性格だからこそ、ママ友とも、きちんと距離をとっておくべきでした。今さら、抜け出せないという、蟻地獄です…。(Sさん/29歳/子ども 5歳)

■出産後「パート勤務」を選んだ理由

▽ママ業中心と割り切った

復職する予定でしたが、難産で入院もしたのでそのまま退職にしました。その後、子どもが3歳になるのを目安にもう一度働こうと夫婦で話し合いましたが、専業主婦のいる生活に慣れた夫は、出産前の共働き(夕飯の片付け・食器洗い・土日のどちらかは夫がご飯の支度などかなり家事分担していました)状態になりたいくないのか、パートくらいでいいじゃん、の一点張り。「お金が欲しいの?社会に出たいの?やりたいことがあるの?」夫に畳みかけられると、コレ!とハッキリ答えらなかった…。それから半年ほど、これから自分は子育てをしながら、自分自身はどうしたいのか、仕事をしたいのか、ママを満喫したいのか、アレコレ考え悩み、結局、キャリアをあきらめ退職しちゃったんだし、割り切って「子育て中心」でいこう、それならパートの働き方でいいのでは、と思い、幼稚園にして、週3日のみ延長保育を利用しながらパートしています。(Nさん/33歳/子ども 4歳)

   ◇   ◇

▽時短で減給ならパートとあまり変わらない!?

フルタイム勤務と子育ての両立、給料と保育園の費用のバランス、を考えました。私はひとり目は育休後に復職したのですが、もともと高くもない給料なのに時短でさらに減り、周囲に気兼ねし、しかもあまり働くママに対して理解がないところだったため、けっこう嫌みとか言われたので、思い切って2人目を妊娠した時に退職しました。パートにしてからは収入は減りましたが、時間のやりくりがしやすいので、外食も減ったし、結果、あまり家計に大きく響いていません。ボーナスがないのと退職金がないから、生涯ベースでみると減収でしょうが、それよりも「心の余裕」のほうが大切。(Tさん/44歳/子ども 6歳・11歳)

   ◇   ◇

▽早退続きで無理とあきらめた消去法

正社員時短って、パートみたいなもんじゃない?と同僚になにげなく言われたのがきっかけ。グサッときましたが、現実として正社員で時短だと、うちの職場の場合は仕事を任せきれないのでサポート業務しかできないし、私自身も心苦しく感じて辛かった。子どももすぐに体調を崩すタイプで、早退も多くて居づらくなったところで、もういっそ、パートの方がいいなと思ったんですよね。やり甲斐といえば正社員の時のほうがありましたが、それはガッツリ働ける前提。時短が終わっても、何かと子どもの体調次第で休んだり早退している状態では、逆に辛いだけ。子どもが大きくなったら正社員というのは甘い考えかも、とは思うのですが、ひとまず、パートを「選ぶしかなかった」という消去法の結果です。うちの保育園の場合、その後パートになっても勤務時間がけっこうあったので、そのまま預かってもらえました。(Wさん/31歳/子ども 3歳)

■働き方はひとりひとり違うもの

パートで働いているママは多いですね。職種もさまざま、パートは働き方も人それぞれですが、どんな働き方をしていても「妥協しなくてはならないこと」もあります。「自分なりに納得して働ける」ところを選べるといいのですが。

パートでもフルタイムでも派遣でもフリーランスでも、結局は、子どもの年齢や体調、家族の環境、収入を考慮して、「この形が今はベストかな」と選んでいる人がほとんどです。それが理想と違う働き方だったとしても「夫だって、嫌な思いをすることがあっても、家族を養うために働いている」と思えば、贅沢も言ってられないというママも。

フルタイム勤務ならではの大変さは計り知れないものですが、だから「パートはラクでいい」というわけでもない。働き方は、ひとりひとりの事情が違う以上、「こう働くのがベスト」という正解はありません。

何かしらのモヤモヤや小さな不満を抱えつつ、子育てと家庭を守りながら働くママのほうが多いでしょう。それでも「今できる形で」仕事をする、そして「いつかはこんな働き方をしたい」と子どもの成長と共に、自分の働き方についても柔軟に考えていけるといいですね。

(まいどなニュース/BRAVA編集部)

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