猛暑でムレムレ…マスクのニオイが気になったら試したい カリスマ調香師が作ったマスクスプレーが話題

 神戸在住でアメリカの調香師(ちょうこうし)協会のベストフレグランス賞に輝いたこともあるカリスマ調香師の春原吉美(すのはら・よしみ)さんがプロデュースしたマスクとマスクスプレーが好評だ。一流ブランドの本染めの生地を使った浴衣マスクをはじめ、播州織マスク、神戸タータンマスク、岡山デニムマスクなど味わい豊かな逸品がズラリ。同時に猛暑を香りで癒してくれる3種類のマスクスプレーも発売した。

 春原さんはP&Gのカリスマ調香師として長年活躍してきた。同社は1837年、米国で設立され、現在は180カ国で製品を提供するなど、世界最大の日用消費財メーカーとして知られる。調香師とは聞き慣れない言葉だが、香粧品の香料を創作する職業。パフューマーとも呼ばれ、世界に600人もおらず、女性パフューマーはその1割程度だとか。

 春原さんは2014年に独立し、現在はドリームフレグランス株式会社(神戸市東灘区)の代表取締役であり、エグゼクティブ・パフューマーも務める。

 「コロナ禍の中、ファッションの街神戸で何かできることはないかと考えました。花火大会など夏のイベントも中止が続き、浴衣を着る機会がなくなり、せめてマスクで季節感を楽しんでほしいと考えたのが浴衣マスクでした」

 そこで新ブランド「神戸マスク工房」を立ち上げた。品質にこだわり、肌荒れや熱中症対策なども考慮した結果、表地は綿100%の天然素材がいいと考え「竺仙(ちくせん)」「東京ゆかた」など一流ブランドの本染めの生地を選んだ。また、歌舞伎役者柄や相撲部屋柄、吉祥柄など古き良き古典柄を使うことで「日本の夏の情緒を楽しんでほしいし、若い人には日本の良さを見直してほしい」とも話す。

 裏地にもこだわり、綿100%の高島縮(たかしまちぢみ)を採用。「200年以上前から滋賀県琵琶湖北西の高島市に伝わる織物で、生地に凹凸があるため皮膚との接触面が少なく、通気性・吸水速乾性に優れ、汗の発散時に気化熱を奪うため、涼しく夏向きの素材と考えました」。抗菌消臭加工も施されていて、50回の洗濯でも効果が持続するとか。

 浴衣マスクのデザインは口元にスペースをとり、息苦しさが緩和できる「折り上げ式立体マスク」で、これは俗に「西村大臣型」とも言われる。

 ファッションの街、神戸らしいマスクとして、ビジネスシーンやカジュアルな場面にも合うマスクも考案した。まずは200年前から兵庫県西脇市に伝わる地場産業の「播州織」に注目。播州織は糸を先に染めるため美しく、色落ちしにくい特徴があり、なかでもチェック・ストライプが有名で世界の一流ブランドでも使用されているとか。

 その播州織で作られたのが「播州織マスク」と、神戸の街のイメージを表した「神戸タータンマスク」。後者はスコットランドタータン登記所にも登録されている神戸タータンを使った逸品です。またカジュアルウェアやジーンズにも合うものを、と岡山デニムに注目したのが「岡山デニムマスク」。これらの裏地にもそれぞれ「高島縮」「播州織」を使うなど、浴衣マスク同様にひと工夫されています。

 むしろ、強調したいのはここから。調香師である春原さんが本領発揮しているのが除菌消臭の「マスクスプレー」です。香りは3種類。「お助けミント」はペパーミント、ユーカリ、ティーツリー等100%天然精油を配合しています。「カワイイゆず」は、はちみつレモンのような甘くて酸っぱい香りに癒されるユズ、クロモジなどを100%天然和精油を配合。「ココロ整う瞑想の森」は松や杉など100%天然香料を配合されており、どの香りも癒され、夏のマスクもさわやかになります。

 実際、着用してみると、つけ心地の良さと話しやすさに驚きました。天然素材を使った情緒あふれるマスクと、やさしい香りで、日本の夏を乗り切りたいですね。

(まいどなニュース特約・八木 純子)

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