ドラッグストアが変わる!体験型店舗で男性無料メイクも~インバウンド客にもアピール

 流通アナリストの渡辺広明氏が「ビジネスパーソンの視点」から発信する「最新流通論」。今回のテーマは「ドラッグストア」。変わりゆく店舗の実情について解説した。

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 11月末、マツモトキヨシが東京・池袋の基幹店を体験型店舗としてリニューアルオープン。食品の品揃えを80%も削った化粧品特化型の店舗で、なんと男の隠れ家をイメージしてメイクアップも含む男性コスメ11ブランドを揃えたインショップもあります。

 無料で行うメイクアップサービスも充実、当然男性も体験可能。アニメ好きな集う池袋に合わせて「闇可愛いメイク」や「メンヘラメイク」も体験できます。

 1990年代中頃までは、世間ではドラッグストアは薬局と呼ばれていて、渋谷でルーズソックスやプリクラの女子高生がマツキヨでメイクして化粧品を買うブームが起こるまで、24時間戦えますかのサラリーマンが栄養ドリンクを飲み気合を入れる場所でした。

 ドラッグストアの市場規模は、2018年には7兆2744億円(日本チェーンドラックストア協会)で2000年の3倍になっています。近年では、食品比率が50%前後を占める食品特化型のドラッグストアが高利益のクスリで儲け、食品を安く売る仕組みで伸びてきました。

 大衆薬(一部除く)のネット販売が14年に緩和され、コンビニなど一般の店舗でも販売が緩和される可能性も高いため、調剤の取り扱いのないドラッグストアは、化粧品や健康増進と予防医療に繋がる健康食品に特化する品揃えに舵を切り始めています。

 また、インバウンド消費は、特定の人気商品をまとめ買いから、さまざまな商品を購買するスタイルへ変化しています。マツモトキヨシのPB(プライベートブランド)の売上構成比は10.5%ですが、インバウンド客でも7%あり、多様化を表す数値となっていまか。

 1万から2万アイテムも取り扱うドラックストアは、東京五輪でインバウンド客へ日本の良い商品を伝える伝道店舗となりそうです。

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