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セリーナの「怒りのラケット」が競売へ、最大548万円か? 大坂なおみ戦で使用

2018年の全米オープン、大坂なおみが決勝でセリーナ・ウィリアムズを破り、初のグラウンドスラム優勝を果たした。大坂の快挙とともに、大荒れのウィリアムズの態度も話題になった一戦。ウィリアムズは審判への激しい抗議のほかに、ラケットをコートにたたきつける場面もあった。

あの決勝戦で無残にも折れ曲がったラケットがオークションに出品されている。最終的には少なくとも1万ドル(約107万円)で競り落とされると予想。オークション側は2万5000ドル(約274万円)から5万ドル(約548万円)の値がついても驚かないとも発言している。

なぜ、壊れたラケットがオークションにかけられているのか。

ニューヨークタイムズ紙によると、ボールボーイがセリーナ・ウィリアムズ本人から譲り受けたものだという。当日、ボールボーイをしていた22歳のボストン大学の男子学生が、試合終了後にウィリアムズに写真撮影をお願いした。その時に、ウィリアムズがボール・ボーイにラケットをプレゼントしたそうだ。

今年の夏、部屋を片付けていたこの学生は、コレクターショップに1年前にもらったラケットを売ることにした。捨てるのにはもったいないと思ったからだろう。ラケットを持ち込んだコレクターショップは、スポーツ関連の品物はあまり扱っておらず価値がわからなかった。店側はそれを正直に話した上で、500ドル(約5万4800円)で買い取った。この男子学生も、それで良いと納得したのである。「オークションビジネス」に関心がなかったからだ。

男子学生はしばらくラケットのことを忘れていたが、オークションにかけられ日本円で100万円以上の値段がつきそうだと聞いて、びっくり。

男子学生は「誰かに相談できていればと思う。僕は、ただ処分できればいいと思っただけで、全く詳しくなかったから」と後悔。さらに「オークションで儲けた人は、数千ドルでもチャリティやテニスに寄付してほしい」とニューヨークタイムズ紙の取材に答えている。

この男子学生は譲り受けたものを売却したが、壊れたラケットは男子学生の所有物になったのだから、それを売っても咎められる筋はない。もともと転売で儲けようという意図もなかったようである。それでも、憧れのスーパースターからもらったものを売ってもよいかというファンとしての気持ちの問題はあるかもしれない。日本でも、選手にお願いしてもらったサインがオークションに出回っていて、それに不快感を示す人は少なくない。サインをした選手はファンサービスのつもりなのに、オークションにかけられていたら、やりきれないだろう。その一方で、高額で競り落とされる市場ができていて、ビジネスとして成立しているのも事実だ。

壊れたラケットがオークションにかけられるまでの一連の流れには戸惑いを感じる人も少なくない。ニューヨークタイムズ電子版のコメント投稿欄にもさまざまな投稿があった。

「この男子大学生の言うように儲けは寄付したほうがよい」 「ラケットは、悪いスポーツマンシップを表すもの。ゴミ箱にいったほうがよかった」 「どちらかといえば、あの試合の大坂なおみ使用ラケットがほしい」 「セリーナ(ウィリアムズ)自身はこれをうれしく思っていないのではないか」

ファンと選手とお宝品ビジネス。もらったものを転売することは許されるのか、受け入れられないのか。壊れたラケットを売却した男子大学生を責める声はネット上では少なかった。もし、男子学生が最初からオークションにかける計画でラケットをもらい、100万円を儲けようという魂胆だったら、コメント欄のトーンも違っていたのかもしれないが…。

(まいどなニュース特約・谷口 輝世子)

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