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SNSで政治は変わるか?「れいわ新選組」ネットでは社会現象化も…既存メディアとの大きい差

 参議院選挙(21日投開票)の選挙戦も20日が最終日。ジャーナリストの池上彰氏はテレビ東京系「TXN選挙SP 池上彰の参院選ライブ」(21日後7・50)に向けた取材の中、今回の特徴の一つとして「ネット社会での発信」を挙げた。独自路線を展開する、山本太郎代表率いる「れいわ新選組」(以下・れいわ)がその指摘に重なった。社会現象化した、れいわのSNSと街頭演説の熱気を体感しながら、ネット時代の選挙戦を考えた。

 池上氏は「過去の日本の選挙制度は公職選挙法でがんじがらめだったが、ちょっと緩くなってきたと思う。ネット社会でみなさんが発信できる動きが、特に前回から今回にかけて出てきており、それはいいこと。テレビがその動きに立ち遅れてはいけないという反省も込めて何とか頑張りたい」と語った。

 れいわは「国会議員5人以上」などが条件となる政党要件を満たしていない「確認団体」。党首討論をはじめ、テレビや新聞といった既存のメディアでの露出は限られるが、YouTubeではデフレ脱却のための「消費税廃止」を具体的な対案と共に打ち出した山本代表の政見放送の再生回数が自民党を上回り、このキーワードはツイッターのトレンドで上位に入った。

 山本代表の全国各地での街頭演説の動画も大量にリツイートされている。「死ね」というヤジに対して「ありがとうございます。死にたくなる世の中を変えるために立候補したんです」といった切り返しが「“神対応”」としてネット社会では話題になった。

 SNSでは芸能人や文化人らが支持を表明。NHK大河ドラマ「いだてん」に出演中の俳優・古舘寛治は9日、自民党の改憲案(緊急事態条項等)が「全体主義」につながるという危機感と共に「僕は今回『れいわ新選組』を応援します」とツイート。ミュージシャンで劇作家・演出家のケラリーノ・サンドロヴィッチは「山本太郎アレルギーの人も少なくないのだろうが、彼の切実さと熱意は確実に、とくに若い人のハートに届いてる。5年後、10年後は頼んだ」、歌手の畑中葉子は「『れいわ新選組』事務所にチラシをもらいに行ってきた。 日本の子どもたちに今の日本を引き渡していくには大人としてあまりにも無責任だと思っている。 自分のできることをやる」と、いずれも17日に投稿。街頭で応援するミュージシャンのSUGIZOや佐藤タイジ、脳科学者・茂木健一郎氏らの動画も拡散された。

 そんな盛り上がりの一方で、「既存メディアにしか接しない多数の層には存在を知られていない」という指摘もある。そのギャップは大きい。

 19日夜、JR新橋駅前のSL広場で行われた候補者10人による演説会では、老若男女の聴衆がびっしりと広場を埋め尽くした。ミュージシャンで俳優・うじきつよし、結成30年のビッグバンド「渋さ知らズ」の有志メンバーも演奏し、「(世の中が変わらないと)あきらめちゃダメ」と投票を呼び掛けた。夏フェスのような熱気の中、小学生時代に遭遇した故・田中角栄氏の街頭演説が遠い記憶の中からよみがえった。

 キー局のカメラも並んだが、ドキュメンタリー映画監督の森達也氏は壇上から「いつ放送するんですか?選挙が終わってからですか?」と問いかけた。閉会後、聴衆から「お願いします」という声と共に局名がコールされる一幕も。その様子はSNSに続々と投稿された。

 会場のカンパ箱の前にも聴衆が詰めかけた。話を聞くと、既存の野党だけでなく、自民党の支持者だった人もいた。山本代表は「2日前までに3億7000万円のご寄付をいただきました」と明かした。比例区で得票率2%以上を獲得すれば、同代表が掲げる「組織票も団体の票もない、市民の力で初めてできた公の政党」となり、既存メディアでも報じられる。

 SNSの力が国政に影響を及ぼすか。まだ、壁は高いのか。その試金石となる選挙でもある。

(デイリースポーツ・北村 泰介)

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