CMは変えても味は変えぬ…関西ならでは「うどんスープ」、全国展開でも老舗が貫くこだわり

 関西人にはよく知られた、赤いどんぶりに「丸」と「東」の文字を白で抜いたロゴマークと美味しそうな天ぷらうどんのパッケージのヒガシマル醤油「うどんスープ」。近所のスーパーの「だし・調味料コーナー」ではおなじみの品です。では関東ではどうでしょう?大手通販サイトの同商品のコメント欄には「関東にいると澄んだおだしのうどんが食べたくなる」「生まれも育ちも関東だが、この関西風味はとても好き」などの声が寄せられています。「うどんスープ」の関西だし味のスープは、関東でも受け入れられているのでしょうか。同社の担当者に聞きました。

 -公式サイトには、「うどんスープ」は年間約2億食、とあります。関東、関西での消費率の割合は?

 「食数換算による出荷数比率は西日本3:東日本1です」

 -東日本でも食べられているんですね。関東でも直接スーパーなどで購入できるのでしょうか?

 「日本全国のスーパーマーケットでほぼ採用されています。店舗数でいうと、西日本4:東日本6となっております。スーパーマーケットは約2万軒以上とされており、その店舗分布とほぼ同じ比率になります」

 -東日本でも多く流通しているんですね。ホームページを見ると、同商品は「西日本限定版」と「東日本限定版」があります。これは、東日本でも受けいれてもらえるよう、例えば風味を変えたりなさってますか?

 「うどんの食頻度が高い関西に対して、やや少ない関東は1箱あたり8食ではなく、買い求めやすい6食にしています。しかし味は変えていません。関西のだし文化に欠かせない淡口醤油のトップメーカーである弊社が、『だしのきいた』関西のおいしいうどんつゆを全国のお客様へ是非お届けしたい、という思いから、全国同じ味で販売しております」

 「ただ、CMについては東西で異なるものを使用しています。理由はうどんメニューの呼び方について東西の差があるためです。たとえば、『天かすが入ったうどん』を関東では『たぬきうどん』ですが、関西では『ハイカラうどん』と呼びます」

 CMは変えても味は変えぬ…。播州龍野の地で400年にわたり、淡口醤油を造り続けてきた「ヒガシマル醤油」。同社が55年来のロングセラー商品の味によせる、誇りと自信が言葉の端々からうかがえます。

  ◇  ◇

 そんな同社が考える『関西だし』のおいしさは『だしの香りとまろやかなうま味で飽きがこない味わい』にあるといいます。原料として、昆布は『北海道産』、かつお節は『薩摩地方産』を使用。特に昆布は上品な甘味・うま味のある真昆布を厳選しているそうです。

 -昆布を選ぶ基準はなんですか?また「粉末」にするメリットは?

 「昆布は同じ真昆布でも水揚げする浜ごとに味が違います。そのためうどんスープに使用する昆布は様々な浜の昆布の品質比較を行い、最適なものを使用しています」

 「あえて粉末にしているにはワケがあります。うどんスープは原材料に細かく粉末にした「かつお節・昆布」を使用、つまり『かつお・昆布でとっただし』を乾燥したものではなく、かつお節・昆布そのものを原料に使用しているんです。『だしそのもの』を使用する“粉末”であることがおいしさのヒミツです。粉末で水分が極めて少ないため、味が変化することなく、おいしさが長持ちします」

 「そして、素材のおいしさをいかす淡口醤油も「だし」のおいしさを最大限に引き出せるようにこだわった粉末淡口醤油を使用、全体の味をまとめる役割を果たしています。粉末にするときに急速乾燥させることで熟成感が醸し出され、おいしさと香りを閉じ込めます」

 -素材そのものを粉末にしているんですね。個包装することにも理由はありますか?

 「1食ずつ個包装している袋は、湿気を通さないアルミ箔を使用した4層構造の包装フィルムを採用しているので、おいしさをさらに持続させ、お客様が使用される時にいつでも新鮮な味をお届けできます」

 また、同商品は、どんなうすめ方でもバランスが崩れないように原材料を配合した『絶妙なおいしさ』を作り出しているそうです。ぜひ、うどん以外の和風メニューはもちろん、洋風料理など様々メニューの調理に万能調味料として使って欲しいそう。レシピは商品パッケージの裏面やホームページでも一部ご紹介…とのことですが、実は社内でのみ、密かに楽しまれている食べ方があると聞き、最後に教えてもらいました。

 「社員の間では『うどんスープでシャカシャカポテト』と呼んでいます。うどんスープをフライドポテトの味付けとして、ポテトにシャカシャカまぶしてお召し上がりください。とってもおいしいですよ」

(まいどなニュース特約・山本明)

◆「うどんスープ 西日本限定8袋入り」(170円)「同商品 東日本限定6袋入り」(140円)※税抜価格

◆商品情報詳細 http://www.higashimaru.co.jp/index.html

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